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039 七草と季節感

 七日は七草粥の日です。春の七草は野菜類の少ない季節に若草で野菜を補給すると言う意味あいを持ったもので食べられるものが並び、秋の七草はその美しさを眺めて愛でるためのものです。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ(ラ)、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草。ナズナは春の柔らかいものなら食べられそうですね。大きくなると硬くて食べられないかな。最後の二つはカブやダイコンなので食べられますよね。

 この七日というのは本当は旧暦の七日じゃないかと思うのですが如何でしょうか。この寒い季節にいくらなんでも緑を探すのは大変ですね。でも三月から四月になれば新芽も出てこれら七草も簡単に手に入るでしょう。

 本当は旧暦の正月に行うはずだったものが新暦の中に押し込んでしまってちょっと無理しているものもなんだかあるような気がします。季節感を感じていたはずのものがなんだか季節感とかけ離れたものになってしまったようです。何となく変な感じですよね。

 今は便利な時代になりました。七草も今ではスーパーに行くと用意されていたりします。それ以上に野菜が季節感がなくなっているので、本当は何時実るものなのか、どの時期が本当の地物が収穫できる季節なのか判らないだけでなく、味さえも均一化してよくわからなくなっています。

 季節感と言うのはだんだんなくなるのがちょっと寂しいです。いつでも好きな野菜が食べられると言うだけでは実は幸せではないのではないかと思います。

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