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038 縁起物、掛詞

 昔から縁起物というものがあります。正月になるとまさに縁起物のオンパレードです。飾りについてい「橙」は「代々」と、「しのぶ」は「耐え忍ぶ」と、「昆布」は「よろこぶ」、などと言葉の上で掛けています。また、おせち料理にはやはり「ごまめ」が「まめに働く」と掛けていて、一方「かずのこ」は卵が多いことから「子孫繁栄」を祈るものだとか。最後のものはちょっと違いますが、日本ではもともと言葉を掛けてものを大切にしたりすることが多いようです。

 一方で時には似た音の言葉が良くない意味を持つときには言葉を変えることさえあります。「する」と言う言葉を避ける言葉は有名ですね。「するめ」は「あたりめ」、髭を「する」(「そる」を江戸っ子は「する」と発音したのでしょう。)は「あたる」、「すり鉢」は「あたり鉢」で、ゴマを「あたる」などといいますね。

 こうしたことは日本語以外ではどの程度あるのでしょうか。中国では蝙蝠(こうもり)は縁起の良い動物だとしています。なぜか。それは蝠(こうもり)と福が音が似ているからなのです。香港など広東語圏では「八」は縁起の良い数字です。「発財」というと金持ちになると言う意味で、この「発」と音が似ていることからだそうです。日本だったらさしずめ「末広がり」ぐらいでしょうか。

 欧米ではこのようなことがあるのか寡聞にして知らないのでどなたか御存知の方お教え下さい。

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