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034 円安と景気

 このところの円ドルレートを見ると今年の頭だったら当然日銀もアメリカの連銀も介入しそうなレートになってもその気配がないまま円安が進んでいます。先日のアメリカの円安容認発言からIMFによる日本の金融緩和策要求とどうも円安に向かう流れはできたようです。

 一体この流れは何なのでしょうか。日本の景気が上向かない中アメリカは来年の初旬には景気低迷の底を打って好景気への階段を上るのではないかと言う見方があります。アメリカは日本が景気浮揚が遅れていることに警戒感を持っています。しかも国家破産という危険をはらんでいることもあって、その前にどうしても手を打たなくてはならない、日本だけでは浮揚しないのなら日本の輸出産業を手助けすることで市場拡大し日本の景気に刺激を与えようではないか。そんな感じにも見えます。日本もそれに甘んじて輸出に有利な円安傾向を容認すると言うことなのでしょうか。

 日本は内需拡大といっても実は現在でもアメリカと日本は内需に占める割合が大きい国のひとつでもあります。外国からの産品を減らすといっても構造的なものがあってそう簡単には減らないのが実情です。私たち一般消費者はどうでしょうか。外国のものを減らして日本の物を買うということは可能でしょうか。

 景気の悪循環はさらに悪い影響を与えます。どこかで消費者の意識が変わればよいのですが。政治家は消費者が将来に明るさを見出すようにしなければ容易に手持ちの金を使おうとしないことはわかっていると思います。まさに今の不況は政治が大きな原因ではないでしょうか。金を 貯め込まなくても将来も明るい、年金だってきちんともらえる社会、医療費の不安もないそんな社会、実はそういったところを国民は求めているのかもしれません。

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