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028 文部省唱歌

 時折、唱歌を口ずさむことがあります。季節感所情感溢れた歌詞ゆえにふとそんな歌詞が、メロディーが思い出されるのでしょうか。

 いつであったか、歌詞が難しいという理由で昔から歌われてきた唱歌が教科書かあ一気に消えたことがあります。最近は若干復活したようですが、消えたときははっきり言って失望しました。昔は多少難しくともそれを口ずさんで覚え、それは徐々に意味がわかってきて、味わいがわかってくるという経過をたどったように思います。

 確かに作られた時代が古いせいか文語調のいわば格調高い文章ででき上がっています。その格調高い歌詞は使っている単語もそうですが、リズムも実は考えられていて、日本語の美しさを感じることができるものが多いと思います。とはいえ先生が意味合いを教えて歌わせるというのは重要ではないかと思います。

 昔の寺子屋では漢文の教育法に素読というものがありました。何度も声に出して読むことで意味は徐々にわかってくるわけですが、昔の人は実は素晴らしい教育方法を編み出していたのです。

 唱歌も実はそんなところがあって、多少難しい歌詞がついていても、曲がついている分覚えることが楽になっているといえます。格調の高い文章を読んで覚えるということが音楽教育だけでなく国語教育に重要ではないかと思います。国語教育は忘れてはいけないのです。そんなところに唱歌を使って欲しい。私はそう思うのです。

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