020 暑さ寒さも彼岸まで
彼岸を過ぎて、まさにこの格言どおりに涼しさを増しています。こういった格言というのはとても面白いものです。
季節の分かれ目に彼岸というものを決めたからであって、うまい具合になるのは確かに当たり前なのかもしれません。気象の格言というのは幾つかあって、更に各地方には地方の気象格言があることが多いようです。
「ツバメが低く飛ぶと雨になる」雨が近づいて湿度が上がってくると虫が草の葉の影から出てきたりするということで、その虫を狙ってツバメが低く飛ぶことからこの格言ができたといわれています。
「夕焼けになると明日は晴れる」夕焼けというのは太陽が西に沈むときに、その光が赤く見えるものです。ちなみに赤く見えるのは大気の層を横に通過してくる光は波長の長い赤い色の成分が多くなるためです。大気の層を横に通過してその光が見えるということは、すなわちその場所に雲がないということを物語っていて、それは低気圧がその地域から西の方にないということを意味します。天気は多くの場合に西から東に変化していきます。というわけで夕焼けになると翌日は晴れることが多いのです。
私の実家のある長野県上田市では市の北に位置する太郎山(1301m)という山(今は長野新幹線が下のトンネルを通っています)に「さかさぎり」という現象が起きると雨になるといいます。「さかさぎり」というのは山の上を越えて雲が滝のように降りてくるもので、初めて見るとかなり異様な感じがします。このメカニズムは良く分かりません。また、市内から見える烏帽子岳(2066m)と言う山に雪が三回積もると里に雪が下りてくると言います。
こういった格言は科学的に証明できるもの、経験的にできあがったものとあります。
北アルプス(飛騨山脈)で春に見える雪形も面白いもの。雪が解けて地形的に雪が残ったところが麓からあたかも何かの形に見えるもの。大抵はその形が見えたら何か農作業を始める時期を知ると言うことが多いようです。白馬と言う地名は逆さの白い馬の形が見えるからで、種撒く老人、鋤を引く牛など地域で色々あるのですが実際の形は知っている人に教えてもらわないとと分からないこともあります。でも写真ではなく実際に見てみたいものです。