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014 ジェノバのNGO

 イタリアのジェノバで先進七カ国とロシアを含む八カ国の会談が行われています。ここ数年注目度の下がっていたサミットも世界経済の低迷の危機や今日と議定書をめぐる対立などで注目度が少しだけ上がってきました。

 それでも世界のことを七カ国や八カ国という一部で決めてしまうということに一部のNGOが反発してジェノバまで出かけてデモをしています。催涙ガスは飛ぶわ、車は焼かれるわ、とにかくイタリアとは思えない光景がニュースを通じて世界に伝えられています。ついにはNGOの参加者がデモの最中に 一人死亡しました。サミット史上初めての犠牲者です。

 NGOの行動を見ているとフーリガンにも似ています。暴れ周り、投石を繰り返し、商店の破壊と略奪、車に放火。フーリガンと違うのは政治的な理念があることぐらいでしょうか。残念ながらこれらの「暴力的」NGOの行動には疑問を持たざるを得ません。略奪や破壊、自分の理想のためには他人の財産を犠牲にしても良いのでしょうか。他人の財産を奪い破壊する何の権利があるというのでしょうか。

 理想が高いかもしれません。自分たちの理念を伝えたい、世の中を変えて生きたいという思いは崇高かもしれません。でもそこへの手段や方法はどんなものでも良いというわけではありません。方法が悪ければ崇高な理想、理念もただのくずでしかないと私は思います。方法を選んで相手を説得していく、本来はそういう方向で進むべきだと思うのです。

 今回のG8では経済のグローバル化も議題に載せようという話も伝わっています。暴力ではない方法で訴え、影響力を行使できるそんなNGOが出てくれることを望むばかりです。暴力は要りません。 

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