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009 神保町の変貌

 神保町には時折出かけて面白そうな本がないか探すことがあります。考えてみると回る店は決まっていて、この本屋さんに入ったらこのあたりをチェックして、この本屋さんに入ったらこのあたりの棚を見る、といった具合です。まさに縄張りをチェックする動物のようです。

 神保町を回るときには休憩する場所も結構決まっていて、紅茶はあの店、カレーはあの店などとやはり行動パターンが決まっているのです。買い求めた本を眺めるのにちょうど良い喫茶店と言うのもあるわけです。

 神保町には紅茶専門店が3軒ありました。しかしホームページの準備で神保町を回ってみると、以前何度か足を運んだお店のうち2軒がなくなっていました。紅茶専門店の「アッサム」と「サーモピレー」です。

 「アッサム」は明治大学の裏手にありました。半地下式でお店の中は落ち着いた雰囲気で、紅茶のほかにキーマカレーやアフタヌーンティーのセットもありました。しかし今回訪ねてみるとギャラリーに変わっていました。このお店を知ったのは紅茶の本で、紅茶専門家が進めるお店と紹介されていたところです。

 「サーモピレー」はニコライ堂の下あたりにありました。紅茶を普及したいと考える店長の熱い思いが感じられるお店で、入口は狭いものの、中が広くなったお店でした。

 結局神保町には紅茶の専門店はTAKANOしかなくなってしまいました。時代は変わるものです。

 バブルの時代に神保町も地上げによってさくら通り沿いのほうは歯が抜けたように空き地が増えました。名物の建物も消えました。また、神保町は新しい世代には「スポーツ用品の町」として知られるようになりました。駿河台下の交差点周辺にはスポーツ用品店が並んでいます。

 書店も幾つかは姿を消しました。日ソ図書もその一つ。時間が止まったような神保町界隈も少しずつ変貌を遂げています。それはちょっぴり寂しくもあります。

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