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007 韓国でスープ

 韓国に行ったら、スープのある食べ物を食べることをお勧めします。というのも、韓国の料理というのはスープがあるのが必須であって、スープがないのは食事とはいえないという考え方があるためです。スープ系の料理が発達しているのはそのためでしょうか。

 ソルロンタンやコムタンのように牛の骨や内臓を煮込んだスープは白濁していかにもコラーゲンや栄養がたっぷりといった感じです。これらのスープに共通しているのは、塩味などは一切つけていないということです。つまりそれを知らないで食べるとまったく塩味がないのに驚くというわけです。ソルロンタンの場合には一緒に必ずといっていいほどついてくるカクテギ(大根の乱切りのキムチ)を入れて、さらに塩味が足りなければテーブルの塩を入れて味を調整します。ともかくこの手は自分で塩味を調整しなければなりません。

 スープ料理にはご飯がついてきます。最近はスープとご飯は別々に出てくるのが殆どですが、もともとはスープの中にご飯を入れたものを持ってきました。スープにご飯を入れるのは当たり前のことで、「mal-da(malのaは短母音)」という動詞がありますが、これは「(ご飯や麺類を)スープに入れて混ぜる」または「(ご飯などにスープ類を)注ぐ」と言った意味です。このような単語があるところを見るとこの食べ方は一般的なのだと思います。まさに「クッパ」なのです。

 スープ料理の中でもいろいろな意味で有名なのは「犬のスープ」でしょう。犬食文化のある朝鮮半島ではこのスープをさまざまな呼び方をしました。有名なのは「補身湯」というもので、最近は「四季湯」などとも呼ぶようです。「モンモン湯」のモンモンは犬の鳴き声。食べてみるとそれほど変わった味ではないのでかえって驚きでした。スープの中の肉を箸でつまんで塩などにつけて食べたあと、スープにはやはりご飯を入れて食べます。

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