そもそもは竹書房の今は無きマンガ誌「コミックガンマ」の誌上プロジェクトだった。現在、短篇主体の週刊モーニング「新マグナム増刊」に引き継がれて既刊単行本2巻。
#それぞれの作家名をクリックすれば飛べます。
萩原玲二 岩明
均 石川 賢 江川達也
永井 豪 夢野一子
寺田克也
萩原玲二
表紙トビラ
〜竹書房 月刊コミックガンマ 1996年4月(32)号〜
30p 巻頭カラー3p
記念すべき?ネオデビルマン第一号。 いささか気負い過ぎの感もあるが、明と了のディスカッションドラマのようなやりとりに聖書の引用を差し挟みつつ、デビルマン世界を再構築した作品。 バイオレンス色が薄い一方、イラスト的な線を狙ったらしく、了の明へのキスシーンやゴルゴタの丘を背景イメージにした生首美樹を抱く明のラストカットは、印象深い。 |
元々、萩原玲二は講談社、しかもモーニング系の作家だったりする。事実、初単行本はパーティKC『レッズ』というツェッペリン魂に焦がれるロックマンガの連作なのだ。筒井の『パプリカ』か麻雀モノしかイメージ無いけど。 |
岩明
均
〜竹書房 月刊コミックガンマ 1996年5月(33)号〜
42p
舞台は飛鳥 了がテレビに出演、人間を疑心暗鬼のどん底に叩き込んだあの夜。 高校生・マサルの家族も街の人々もまた例外ではなかった。ただ一人、ボケていたはずのおじいちゃんを除いて...。という縦軸にもう一ひねり加えたカンジ。 |
岩明も講談社系だなや。かの名作『寄生獣』連載終了の1年半後に描かれただけに、表紙のデビルマンの面構えにも面影が見える。すっとぼけた調子のおじいちゃんのキャラクターと、暴徒と化した人々の殺戮シーンが見事に馴染んでるところがこの人らしさなんだろうなあ。 またこの号では、巻頭カラーにてデビルマンイラストギャラリーと永井豪インタビューを掲載。「『デビルマン』はあれで完結です」...そうか、あの段階ではまだそうだったんだ...と妙に感慨を覚える。 |
石川
賢
〜竹書房 月刊コミックガンマ 1996年6月(34)休刊号〜
38p
デビルマン・アギラ(この作品で命名・本篇で明の台座になっている空飛ぶデビルマン)を主役に、悪魔特捜隊の悪魔狩りからハルマゲドンに向かうまでの流れを追う。 親の肉体に始まり、特捜隊の武器、瀕死のデビルマンの翼、襲い来るデーモンすらその体に吸収し成長していくアギラの姿はまさにダイナミック! |
もし「あの時」、賢ちゃんが『デビルマン』をコミカライズしていたら...ダイナミックファンなら一度は夢見るのではないか。まんま『魔獣戦線』やんけ、という気もするが。 本作はそういう希望とは視点が異なるが、『極道兵器』と『ゲッターロボ號』が好きならOK! 自らが成長して行くことにおびえつつも、自分ではどうにもならないもどかしさ。存在理由を問い続けるアギラの闘い...そういう部分の原作のテーマ性を斬り、なおもあの台座デーモンにドラマを見いだす辺り、さっすが賢ちゃん!としか言い様がない! なお、この号で突然「コミックガンマ」は休刊。現場にも急だったようで、表紙の「悪魔復活祭進行中!」のコピーが泣かせる...。 |
ここからは「モーニング 新マグナム増刊」掲載。