マジンガーZ・ムック類<2>
主にアニメから、またはアニメをも網羅したサブテキスト。

どれも、アニメとマンガは基本的に不可分のものとして採り上げている のは当然と言うべきか。
(いやむしろ、アニメの方が積極的に取り上げる動機とも言える)
それほどまでに当時の視聴者はメディアミックス された、「マジンガーという現象」を楽しんでいたのである。

その「現象」とは要するに「まんが」という言葉で子供向けサブカルチャー が一括りになっていた幸福な時代の産物であろう。
「原作」とか「アニメ化」とかいった区分はなかった。興味はひたすら 良き意味での偉大なマンネリズムに覆われた攻防戦。

その象徴こそ「鉄の城」だったのだ。


魔神全書
-マジンガー・バイブル-

双葉社(A5判)2002.1.25初版発行

鉄の城
マジンガーZ解体新書

講談社(A5判)1998.2.7初版発行

データ量のみを問うならこの本以上のものはそうそう出ないだろう。 マジンガー3部作について、アナタのうろ覚えをほぼ解消してくれる。 それまでの書籍では触れられなかったスクープネタの宝庫。

左の『全書』に比べれば、『マジンガーZ』のみに絞っている上、 先達者の哀しさ、質・量ともに劣るのは やむをえないが、編著の赤星政尚氏、ゲストマンガのMoo.念平氏、 当時一動画マンとして参加していた刀根夕子氏のコメントなどを載せたり、 可能な限り当時楽しんだものとしての「空気」を収めようとしている。


テレビマガジン特別編集
マジンガーZ大全集

講談社(A4変型判)1988.1.15初版発行

ロマンアルバム(9)
「マジンガーZ」

徳間書店(A4判)1978.7.25初版発行

マジンガー三部作を採り上げている。割合「入り込んだ」 姿勢で当時の空気を含んだ語り口が独特だった。やはり「テレビマガジン」 の伝統だろうかね。データ派には多少問題があるようだが、カラー図版を メインに据えた構成は他の追随を許さないと思う。

アニメムックの草分け。ミネルバXを大きく採り上げている辺り、当時の 再評価の意図がよく見える。「さやかマジンガー」の回のバスタオル が落ちるところの連続写真なんて、他じゃフィーチャーしねーし。 今となっては故人となった芹川有吾氏の言葉が収められているのが あまりに貴重な第一級資料である。


『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『UFOロボグレンダイザー』 をまとめて「マジンガー三部作」と言うべきか否か、というのはよく語られる ところだが、設定云々とか、スパロボ的カテゴライズを抜きにして、純粋に 当時のお子様的気分を引きずって言うなら、「日曜夜7時からやっている 永井豪とダイナミックプロのロボットまんが」として、間違いなく続いていた。

しかし一方で、三本それぞれタイトルを変えるからには、違う立脚点も 考えられているわけで、その辺りの微妙なファン心理が以下のムックを 生んでもいる。


検証70年代アニメーション
オレはグレートマジンガー

辰巳出版(A5判)2000.5.20初版発行

ロマンアルバム(15)
「UFOロボグレンダイザー」

徳間書店(A4判)1978.12.30初版発行

現役放送当時を別にすれば、『グレートマジンガー』 を単体作品として採り上げた書籍はなかった。『マジンガーZ』 と直接繋がるため致し方なかったわけだが、それゆえに エポックとしての『Z』を語られる時、「パート2」として切り捨てられ ることもあったのだ。『Z』の引用を最小限とする試みは面白いが、苦しい のも事実。

一方『グレンダイザー』は兜一族の諸々から解放され、 UFOをタネとした騎士道ファンタジーという趣向になったため、 はっきり単独評価が可能な作品と言えるだろう。フランスでは いち早く放送され、違和感なく人気が出たわけだし。この本自体は 過不足ないファン向けグラフ本以上ではないが。


更に、作品の「背骨」を形作るシナリオも欠かせない。今のところ メインライターの一人・藤川桂介氏のものしか出ていないが、
「偉大なるマンネリ」にどういうドラマを吹き込んで、「タダのマンネリ」 から脱却したのか、その答えの一部は分かるだろう。

藤川桂介傑作TVシナリオ集
熱い想いをもう一度…

風塵社(A5判)1999.3.15初版発行

『マジンガーZ』メインライターの藤川桂介氏のシナリオ集。 『Z』『グレート』『グレン』から『鋼鉄ジーグ』『バラタック』 『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『ガイスラッガー』 『ムーミン』『ワンサくん』『六神合体ゴッドマーズ』と 幅広く押さえている。三部作からはミネルバX始め5本が読める。 個人的には『マジンガーZ』7話が藤川脚本じゃピカ一なんだが、 まーしょうがない。


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