永井豪ROOM
ハレンチ学園・集英社ジャンプコミックス(JC)版(全13巻)



記念すべき第1巻と2巻。発売は同時で初版にはオビがある…というのが コレクター泣かせだ。(オビはその後3、4巻にもあり)

21世紀からは想像つかないが、「オー!モーレツ」(丸善石油CM) の小川ローザは、当時恐るべき流行りっぷりで、CMばかりでなく 彼女を主役にしたドラマ『Oh!それ見よ』が放送されたり (かの実相寺昭雄演出回があるので有名)というワケで、めでたく 十兵衛もコスプレしていたりする。

ちなみに右の写真は、チョコボールのパッケージに掲載されていた モノ。出所不明なのだが、小川ローザはレースクイーン的な 仕事をしている時期があったことから、その折に丸善石油から 配布されたのかも知れない?
もう一人、ハレンチの時代から連想される美人と言えば、児島みゆき(現・美ゆき)。

この写真はJC版7巻の著者画像に使用されているモノ。恐らくジャンプ本誌の 映画化記念号の特集時に撮られたモノと思われる。このポーズを見ると、 JC1巻表紙(元は連載時のトビラ)のポーズを取っているんじゃないかな…?

…とすると、豪ちゃんのポーズはヒゲゴジラなんすね。

ココまでがハレンチ大戦争で幕を閉じる「第一部」。ページ数が満たない 6巻には『キックちゃん』『ウルトラスパイヒゲゴジラ』 『ファイティング・パンツくん』『ハンターくん』が収録されている。

4巻までは多少引張りがあっても短く終わる、当時風の読みきり一話完結スタイルの ギャグマンガ形式をとっているが、5・6巻は突然ストーリースタイルとなって 切れ目のない大殺戮大会へ。今の豪ちゃんに直接連なる作風へと変わった。 テレビ化が決まり、ワイドショーの話題となった時期とパラレルだ。

ココまでが第二部。8巻には『チャンクン』(4本)、9巻には石川賢との合作 『さすらい学徒』(途中まで)が収録されている。大戦争の後生き延びた 山岸で始まり、縁側で老山岸と十兵衛が語り合って終わるというとんでもない シチュエーション。大枠をかけて描かせないジャンプ的な連載方式と永井豪的な 展開法がうまく(?)合致したというべきか。

またコレ以後十兵衛の髪型が変更、もみ上げがお姫様調へと変わる。 教師としての登場というコトもあり、オトナっぽく見せる効果だったのだろう。 その十兵衛はハレヤカ学園着任早々学校そのものを崩壊させ、かつての激しい ハレンチ大戦争など何の意味もなかったのような展開を見せる。

次に山岸が入学するハレンチ女学園は、米軍基地の中に内緒で建ててある、 というある意味時代を掬った設定。現代だとちょっと考えられないが、 「時代だった」としか言いようがないというか。さらには内緒どころか 基地司令官の娘であるビクトリア・アレキサンダーが教師として登場、 山岸たちの敵ははっきりと「米軍」になってしまう。 …もっともそれ以上の政治的に踏み込んだ内容にならず、悪乗りの末、 遊び倒してしまうのが、ダイナミックプロ調だが。

明らかに作家的欲求だけを見れば、第二部で終わっているはずの『ハレンチ』 だが、二部で触れられなかった結婚生活を描くコトで第三部は始まった。 ただ山岸と十兵衛よりも、ココから登場の波多七美やスパゲティ・ジェーン といった女性キャラが立っているのが特徴。

コレクションの場合、この二ケタ台をバラで揃えるのがかなり難しい。 程度は問わず出会った時は押さえておくのが正解。


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