AT-X著名作家シリーズ
魔獣戦線
THE APOCALYPSE

『魔獣戦線』といえば、1989年から全3巻で徳間ジャパンコミュニケーションズ からリリースされた大賀俊二監督・會川昇脚本・本橋秀之キャラデザインによる 原作マンガに割合忠実なバージョンが有名ではありますが。

今回何かとお騒がせな「AT-X著名作家シリーズ」にて再アニメ化つーことで。 どうするんだ、今更萌えアニメにして…なんて思ったりもするが、 『魔王ダンテ』の惨状見てるので、今度は優しくなれそうだ。

一部メディアで「初のアニメ化」とかふざけたこと抜かしているが、 そういうコト言うヤツはそれ以後の文章も信用しない、というコトでいーかと。


AT-X 2003.2.23〜  毎週(日)17:30〜18:00 25:30〜26:00  毎週(土)18:30〜19:00

製作/魔獣戦線製作委員会

O.A.リスト
放送No. 放送年月日 サブタイトル
1 2003.2.23 ローマ使徒への手紙 復讐するは、我にあり
2 3.2 マタイ伝 眠れる子供
3 3.9 ヨブ記 主与えたまい、主取りたまう
4 3.16 マタイによる福音書 神が結び合わせし者たち
5 3.23 マルコによる福音書 群れし者たち、彼の名はレギオン
6 3.30 ローマ使徒への手紙 罪が支払う報酬
7 4.6 ヨハネの黙示録 我はアルファにしてオメガ
8 4.13 創世記 エデンの園
9 4.20
10 4.27
11 5.4
12 5.11
13 5.18

放送終了直後の感想をウチのBBSに書いたもの。

▼さてさて今週の『魔獣戦線 THE APOCALYPSE』最終回。 いかなるシバリが今回のアニメ化に際してあったのかは知らねども、 制作サイドが「石川賢」の作家性について、何ら理解しようとしな いまま「ダイナミックっぽく」作った結果というのはよーく分かり ました。

結局のところ、『魔獣戦線』のラスト界隈を雰囲気でさらった以外 は、主に『バイオレンスジャック』『北斗の拳』ベースで展開、思 い出したように『聖魔伝』の上澄みをとり、最終的には『凄ノ王』 を引っ張り込んで、『ゲッター號』の火星行き。

戦闘のほとんどはきっかけと結果だけに終始し、「石川作品の見所・ 血しぶきシーンは描かない」作り。別に自粛したとか何とかでなく て「描くつもり」がなさげ。

俺が石川賢ファンだから、「石川賢を読み込んでいない」作りに腹 を立ててるのだけど、ソレを外して面白かったか?というと、戦闘 シーンが少ない上、同時進行するセリフだけの展開でお茶を濁して て、「バイオレンスアクション」とは到底呼べない逃げ腰。

鳴り物入りヒロイン・亜矢可サンダースが、真理阿の代替物でしか なく、「一緒にいたい」だの「私のために」だの土足で作品を荒ら したのは最悪。

何よりも、「永井豪とダイナミックプロ原作」でなく「石川賢原作」 を謳っている以上、ピカレスク・ロマンであるべきだろ。「人と人 のつながり」やら「復讐心は何も生まない」的なお説教で占めたのは、 もう何をかいわんや。

作画全般にいえるが、基本的に左右非対称モチーフの石川賢デザインが 全く理解出来ていなかったのは、なっちゃいなかったっすね。

にしても「おお」と一瞬でも思ったのは、最終回一個前から今週アタ マにかけて、慎一の力が解放された時の絵作り。空間が慎一型の闇に なり、生けるもの全てを飲み込み始める表現はイシカワイズム入って ましたな。

▼結局、腹を立てながらこれを見続けることによって、俺は石川賢 の何が好きなのか、は改めて炙り出されたので、良かったとしよう。


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