『人気アニメ大行進』
「デビルマン -美樹、おまえは俺の命だ-


1980年7月1日放送(番組は4〜8月/毎週火曜日夜7:00〜8:00)
(制作 テレビ朝日・東映)

1970年代の末期、"テレビまんが懐古ブーム"というヤツがあった。

時代的に言うと、『ウルトラ』『仮面ライダー』など有名どころ のシリーズの新作がない頃。一方で雑誌「テレビマガジン」(講談社)や 「テレビランド」(徳間書店)、「てれびくん」(小学館)などで盛んに 新作「テレビまんが」に混じって旧作の特集も組まれていた。

また、 「宇宙船」や「アニメージュ」といったファン 層に向けた雑誌も出ており、テレビまんがが、「特撮」と「アニメ」に分離した のもこの頃だったろう。

恐らくそういう空気を受け、テレビ朝日系列にて放送されたのがこの番組。 全13回ではなかったかと思うのだが、他にも『魔法使いサリー』や『キュー ティーハニー』が採り上げられたような記憶がある。(当時他の局でも 円谷プロ作品をこういう形式でまとめて流していましたな)

番組フォーマットとしては、毎回ある作品のダイジェスト版が6割程度の 構成で、それを観ながら、 俳優の山崎唯・久里小春・山崎リナ一家が旧作アニメ談義をするというもの。 確か「ピンポンパン」のような牧歌的なセットが組まれていたような気がするが、 合わないねえ(笑)。 毎回大きく採り上げる作品の他に、3分程度もう一本作品をピックアップ していた。この回は『デビルマン』と『ミクロイドS』。

で、コレをなぜココで採り上げたかというと、構成にある。辻真先と山崎忠昭 と金春智子の3氏なのだ。もちろん恐らく金春氏が台本片手に構成したのだろうし、 原シナリオの作者という意味で後の二人は取り上げられたのではないかとも見える。 (金春氏は『うる星やつら』で一躍有名になったシナリオ作家)

がそれにしては、デビルマンを称して「悪魔の風上にも置けない大悪党」と久里小春 さんに言わせたり、永井一郎氏演じる番組マスコット・アニモグラに、「一目惚れ って知ってる?(中略)リクツじゃないよ、一目惚れは!」と語らせたり、辻氏の テーマが簡潔に語られている。

実作品構成も、1話でデビルマンが明に乗り移った後、2話の美樹との出会いに繋いだり、 その後ザンニン編へ持っていったり、あえて『妖将軍ムザン 学園大襲撃』での 大人たちの大騒ぎを大きく採り上げたり。ララもしっかり出ていて、マグドラーに 殺されるシーンがたっぷり挿入されている。

辻氏がかなりの部分に関わっていないと、ココまでの構成は難しいのではなかろうか?

と、そういうわけで、あえてココでピックアップしてみました。実際に 台本に上がっているのは1、2、14、25、27、36、39話。抄録とはいえ、 シナリオがそのまま収録されており、 映像化されなかったシーンまでも加わっているのが、中々面白い。(編集スタッ フは「ないぜ!このシーン!」と慌てたろうが…笑)


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