新緑を過ぎた雑木林は、濃密な緑が重なりあい、湿気を含んだ空気が淀んでいる。素朴なコアジサイの青味をおびた白い花が、夏の訪れが近いことを教えてくれる。
シロヤシオを見に行った。 満開の風景をたまたまテレビニュースで見て、さっそく出かけることにしたのだが、考えることはみな同じらしい。放映直後の日曜日、しかも梅雨入りしたとは思えない快晴とあって、臨時駐車場ができるほど、たくさんの観光客でにぎわっていた。
那須町大島の中ノ大倉尾根。6ヘクタールの敷地に、樹齢200〜300年のシロヤシオが約3万株も自生している国内最大級の群生地だ。
「純白の花のような純真な心を持った子供に育ってほしい」との願いから、シロヤシオが愛子様のお印となったことは記憶に新しいが、つい数年前までは自然保護のために、公開されていなかった場所。愛子様誕生を機に広く一般
に開放されるようになった。
開花時期になるとマウントジーンズ・スキー場のロープウェイが特別運行されていて、標高1400メートルの山頂までわずか数分で運んでくれる。那須岳が間近に迫る山頂駅付近の展望台からは、那須野が原をはじめ、遠く八溝山あたりまでのすばらしい眺望が眼下に広がる。
右手の急な遊歩道を登ると、晴れ上がったコバルトブルーの空をバックに、純白の花が鮮やかに舞う。例年と比べて花の数が多いらしく、びっしりと咲いたシロヤシオは、可憐というよりは、どこか華やいだイメージだ。
シロヤシオは、枝先に5枚の葉が輪生することから「ゴヨウツツジ」とも呼ばれ、清楚な純白の花を咲かせる。ツツジの仲間としてはずいぶん大型で高さ4〜7m、遊歩道沿いの説明では、20センチに満たない太さの木でも、その樹齢は約300年ほどにもなるという。可憐な花とは対称的に荒々しく広げている枝ぶりは、厳しい環境の中でもたくましく生きている力強さを感じた。
(05.6.26掲載)

