大寒を過ぎると、さすがに寒さの厳しい日々が続く。積もった雪はいつまでも消えずに残り、寒々しい雑木林の風景を描き出している。
 冬枯れのこの時期、無彩色の木立の中で、常緑と赤い木肌のアカマツがひときわ目につく。恵まれない環境に強いアカマツは、水がなくやせた土地だった那須野ヶ原に、数多く自生する特徴的な樹木のひとつだ。
 しかし、よく観察すると緑であるはずの松葉が茶褐色に変色していたり、葉がほとんど落ちて、枯死寸前の木が異常に多いことに気づく。いま問題になっている松枯れだ。日本各地で松枯れの被害が聞かれるが、我がエリアでもかなり深刻化しており、数年もすれは全滅してしまうのではとの声も聞かれる。
 景観問題もさることながら、松枯れによるもっとも身近な問題は倒木による事故の可能性。立ち枯れた松が根こそぎ倒されていたり、太い幹が無惨に折れているのをときどき見かけるが、季節になると那須降ろしと呼ばれる強風が吹き荒れるこの地域は、そのリスクも高い。道路に倒れて交通 の妨げになる程度ならまだ実害はないが、通行人や住宅などを直撃する危険性もあるから恐ろしい。
 松枯れの原因で、いちばん有力とされているのは、マツノマダラカミキリに寄生した病原マツノザイセンチュウ、いわゆる松食い虫による説。1mmにも満たないセンチュウが、健全な松に侵入して細胞を壊し、数週間から数カ月で枯死させてしまうとうもの。また大気汚染や酸性雨で松の免疫力が低下したところを松食い虫がとどめを刺すとう説もある。
 地球温暖化の影響も指摘されているが、いずれにしても、これといった効果的な松枯れ対策はないようだ。
 コナラやヤマザクラなどの落葉樹と違い、貴重な冬の日ざしをさえぎってしまうから、住民の評判はあまりかんばしくないが、須野が原の風景には欠かせないアカマツだけに、これ以上被害が広がらないように祈るばかりである。

(05.01.30掲載)

冬枯れ松枯れ
NO30