小春日和の雑木林。夏の暑い日ざしを柔らかく遮って、爽やかな風を運んでくれた木々も、今はその葉をほとんど落として、暖かな木漏れ日を導いてくれる。赤茶色の枯れ葉の上に落ちた縞模様の影はまるで、モダンアートのように大胆で美しい。
ぱちぱちと薪がはぜる音、ゆっくり立ちのぼる薄紫の煙、焚き火をするにはこの季節がいちばんふさわしい。キャンプ好きが高じて、自然の多い那須塩原に移り住んだ僕らにとって、焚き火は趣味といっていいほどの特別
な遊びだ。石ころを積んだだけだが、いつでも焚き火ができるようにスペースも作ってある。
まずは薪集め。枯れ枝が多い時期だからすぐにいっぱいになる。これを適当な長さに折っておく。軽く丸めた新聞紙の上に枯れ葉を少しのせ、始めに割り箸ほどの細かい小枝、次に小指の太さぐらいの枝をにピラミッド形に重ねる。この時、空気が充分通
るように隙間を作るのがポイント。ぎっしり積み重ねてしまうと火がまわりづらくなる。
着火して火が全体に広がったら、先ほどより少し太い薪、さらに太い薪と順々にくべる。これで完璧。あとは火が落ちないようにまめに薪を追加すればいい。枯れ葉を燃やすのは要注意!煙が出るし火の粉となって飛びやすいからお勧めできない。
僕らはすっかり焚き火に慣れ親しんで気にもならないが、ビギナーにとっては以外と難しいようだ。煙ばかり出て、すぐ消えてしまうことが多い。上手に焚き火を作る秘訣は、あせらずゆっくりと小さな火を育てていくことだ。
火を囲んでのお昼ごはん。有り合わせの食材をちょっと炙るだけで美味しさが増す。キャンプに来たみたいで、なにか楽しい。
薪を燃やして炎を眺める。そしてまた薪をくべる。立ち上がる炎。ちろちろと燃える炎、オレンジ色の宝石のような熾き火。ひと時も同じ形ではいない火を眺めていると時間が経つのも忘れてしまう。
秋の日は短い。いつの間にか西に空が茜色に染まった。
(04.11.28掲載)

