都内までの通
勤が少々おっくうになる時期だ。那須塩原の爽やかな朝の空気を吸いながら、東京のうだるような暑さを想像したら、勤めに向かう気持ちなど、誰もが萎えてしまうに違いない。
新幹線もあまり快適とはいえない。南へ走る上り新幹線は、進行方向の左側から強い日ざしが入り込む。いつも座っている窓際の席は、日よけを下げてもなお暑い。
上野駅の改札を出ると、8時30分を過ぎたばかりだというのに、気温はすでに30度近い。見上げれば、鮮やかなコバルトブルーの空に真っ白い積乱雲が輝いている。
東京は最高気温30度以上の真夏日が続く。ここ2〜3日はそれほどでもないが、7月20日には39.5度を記録した。統計開始以来の猛暑だ。
冷房の効いたオフィスから炎天下のビル街へ出る。アスファルトからの熱気が立ち昇り、景色がかげろうのように揺れる。足早に地下鉄の駅に飛び込むと、直射日光は避けられるものの、蒸し暑い空気が身体にまとわリつく。
移動中の地下鉄でわずかに涼をとって、ふたたび地上へ。冷房の効いたロビーでの打ち合わせでホッと一息。吹き出た汗がやっと引くころにまた外へ出なければいけない。暑かったり寒かったり、冷やされたり蒸されたり。それだけでぐったりと疲れてしまう。ヒートアイランド現象なのだろう、夕方になっても気温の下がる気配もない。
こんな時は暑気払いに限るとばかりに、友人を誘って何年ぶりかで都心のビヤガーデンへと繰り出した。しかし、考えることは皆同じで、順番待ちの列ができるほどの大盛況。それにしても凄い数の人人人。そして騒音。若い頃なら楽しめもしたのだろうが、憩うどころか疲れが倍増してしまった。
東京は信じられない猛暑でも、関東北部の山沿いはやはり涼しい。窓を開け放す。ゆっくりと流れ込む風は、疲れた体を優しく包んでくれる。すっかり夏模の様雑木林は、ヤマユリの花が終わり、雑草の中に紫色のギボウシが目立つようになった。
(04.08.01掲載)

