相変わらずの冬型の気圧配置。2月もなかばを過ぎると、那須塩原は冷え込みがいちだんと厳しく、最低気温が零度を下回る日が続く。寒いとはいえ穏やかな青空が広がる東京と比べたら、体感温度の差は数字以上に大きい。
この寒さの中で最近重宝しているのが「湯たんぽ」。
僕は毎日、暖房の効いた新幹線でオフィスに通うので、それほど寒さを実感しないが、家にいる妻は、冷え性ということも手伝って、机に向かっていると足元が寒くてならないという。
一台の薪ストーブだけで家中の暖房をまかなっているから、火元から遠い場所はたしかに寒い。「そんなに寒ければ湯たんぽでも買ったら」と、なんの気なしにいった。
すっかり忘れていた湯たんぽだが、これがなかなか具合が良い。足元に置くとほっこりとした暖かさが伝わって心地よいし、布団の中に入れれば、全身が暖まってぐっすりと眠れる。
こんなに便利ならもっと早く気がつけば良かったとすっかり病みつきになっている。
湯たんぽの「たんぽ」は中国語の「湯婆子」が語源だそうで、中国では唐の時代から使われており、日本に伝わったのは室町時代のこととか。先人の暮らしの知恵に、あらためて感心させられる。
電気暖房機具の普及でいつのまにか消えてしまったが、布団の中の優しいぬくもりや、そのお湯で顔を洗ったことなど、子供の頃を懐かしく思い出すのは僕だけではないだろう。
最近では、「自然の暖かさで身体に優しい」「ヒーター類と違い肌が乾燥しない」「電気代がかからずエコロジー」など、湯たんぽの良さがまた見直されているらしい。
我が家の場合、薪ストーブの上に加湿のためにかけてある鍋のお湯を使うから、燃料代はまったくかからない。熱エネルギーを段階的にムダなく使う「カスケード利用」というやつだ。スローでエコな田舎暮しにはうってつけの暖房機具である。
(04.02.15掲載)

