いったい今年の夏はどこに行ってしまったのだろう。関東地方北部山沿いは、すでに秋の気配を感じるような肌寒い日が続く。
夏を探しに!というわけではないが、自ら高校野球フリークと言ってはばからない妻と連れ立って、甲子園球場に、高校野球の応援観戦に出かけた。
残念ながら、栃木県代表の小山高校は初戦敗退。生まれ故郷の代表もあっけなく負けてしまったから、特別
応援したいチームがあるわけではない。しいていうなら、あの独特の雰囲気をもう一度味わいたいからだ。
早朝6時20分、「なすの232号」で那須塩原を出発、東京駅で7時53分発の「のぞみ5号」に乗り継で、新大阪到着が10時26分。大阪、梅田で阪神電車に乗り換えて目的地の甲子園球場へと向かう。
ぐずついた空模様との予報だったが、前日とうってかわっての野球日和。夏真っただ中の紺碧の空が広がった。日頃の行いはさておいて、待ちかねた夏の甲子園。
球場前には、高校生のグループや親子連れなど、応援観戦の人々で溢れ返っている。
三回戦進出を賭けた好カードが組まれた、盆休みの土曜日、しかも、地元PL学園のゲームも行われるとあって、すでに内野席のチケットは売り切れ。やむを得ず観戦無料の外野スタンドへ。はやる気持ちをおさえつつ、人波をかき分けて満席に近い三塁側に陣取る。じりじりと照りつける日差し。気温はとうに30度を超えている。
コバルトブルーの空と緑の芝生の鮮やかなコントラストが目に痛い。ブラスバンドのリズミカルな響き、球をはじき返す金属音、湧き上がる声援。吹き出る汗。拭いても拭いても汗が滴り落ちる。
白熱した試合内容もさることながら、その目眩がしそうな熱気と騒音の中で、やっと夏らしさを満喫した。
小旅行を終え、那須塩原に帰ると、ひんやりと冷たく湿った空気が、日に焼けた僕らを出迎えてくれた。
明日からは、また、忙しすぎる日常へと戻る。
(03.08.24掲載)

