那須塩原の雑木林に移り住んだきっかけのひとつに、「畑が欲しい!」という妻の土への憧れがあった。家庭菜園は、都市生活では簡単に楽しむことのできない贅沢な遊び。当初から計画はしていたものの、なかなか畑作りに手をつけられずにいた。
 その理由はふたつある。ひとつは、僕らの住む一帯は、少し地面 を掘り下げると、すぐにゴロゴロとした石が出てくる砂利層なので、農地にするにはかなりの手間ひまがかかること。もうひとつの理由は、近くに農産物直売所があるので、新鮮な野菜が労せず、しかも安く手に入ることだ。季節になると、茄子、胡瓜をはじめ旬の野菜がひと袋たっぷり入って100円ポッキリで店先に並ぶ。
 「野菜は安く買えるから、ハーブガーデンにでもしようか〜」と、妻は家庭菜園をすっかり諦めてしまったかのようだった。
 ところが、昨年。なんの前触れもなくポット苗を買い込んできた。「ど、どうするの?畑もないのに」、「どうするって、畑作るのよ」、「え〜!(絶句)」。実をいうと、以前に畑を作ろうと試みて、あまりの石ころの多さに挫折した経緯があるのだ。
 でも、こうなったらしかたがない。婦唱夫随というか不承々々というか、かくて、我が家の「家庭菜園採れたて野菜計画」は立ち上がった。
 とりあえずは基本中の基本「土作り」!と行きたいところだが、その前に畑の用地から石ころを取り除くという、やっかいな作業が待っている。二人がかりでの開墾作業。ツルハシやスコップを使って土地を掘り、土砂をふるいにかける。たった畳2枚ほどの畑だが気の遠くなるような作業。半端じゃなく石が多い。まさに開墾という言葉にふさわしい重労働だ。それでもなんとか三週間がかりで念願の畑が出来上った。
 植え付けを終えた二畝の小さな畑。やがて花が咲き、実が膨らみ、そして収穫。畑作りには苦労したものの、みずみずしい採れたて野菜のおいしさは、まさに感動的! よく「収穫の喜び」というが、体験してその素晴らしさを初めて理解できた。
 今年もまた、植え付けの時期がめぐってきた。

(03.06.01掲載)

採れたて野菜計画
NO.2