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それは突然始まった。ログハウスに住みたい!

ある日、郁子(妻)が「ウッディライフ」を買ってきた。もともと田舎好きで、「私はブランド品や宝石などはいらない、畑がほしい!!」という贅沢な女ではあった。「こんな家に住めたらいいね。」

次の週、自宅からいちばん近いビッグフット熊谷(埼玉県深谷市)に出かけた。角ログ、マシンカットのフィンランドログハウス。ダイナミックなハンドカットログハウス。ドームハウス。三棟のモデルハウスを見学した。さりげない木の温もり、木の肌触り、木の優しさ。フィンランドログハウスが僕らのフィーリングにぴったり合った。探してたものがやっと見つかったような、そんな感覚だった。
そして郁子がひと言「これ買って!」

まずは雑誌で情報収集。メーカーからカタログを取り寄せた。

「ウッディライフ」「夢の丸太小屋にに暮らす」「ログライフ」などの雑誌からめぼしいログメーカーをピックアップ。僕の場合はいちいちTELしないで、ホームページのあるところはEメールで、その他はFAXでカタログの申し込みをした。
ハンドカットとマシンカット。大別するとその二つだが、メーカーによっていろいろなログがある。「住宅にするならやっぱり角ログのマシンカットタイプかな」「角ログはラミネートタイプだな」とか「薪ストーブは絶対必要だな」などなど、どんどん夢が膨らみ、頭のなかはほとんどログハウス。来月にでもすぐ建てるような感じでワクワクしていた。

県内で土地を探す。条件は100坪以上。

今の生活を考えると、浦和から離れにくいだが、とりあえず埼玉圏内でログハウスの建てられる広さの土地を探した。市街地では消防法の関係もあって最低でも75坪の土地が必要。多少の余裕を見て100坪前後。私の勤める会社は、東京都台東区上野にある。最寄り駅はJR上野駅。距離はともかく、時間的に支障が出ないことが絶対条件だ。さっそく大手の不動産屋に相談にいった。
あたりまえだが、近いと高い、安いと遠い。ちょうどいいのがなかなかない。ということで条件に近い物件があったら改めて情報をもらうようにした。

不動産やに埼玉県内の土地を案内してもらう。高い。遠い。狭い。

僕らは、とりあえずの情報がほしくて相談にいったのだが不動産やの営業のしつこさ、失礼、熱心さに負けて、県内の土地を案内してもらうことにした。見るだけはただだし、気に入らなければ慌てて買う必要もない。金がいますぐあるわけではないしね。

最低でも75坪、できれば100坪。いったいくらぐらいの金額になるのか。資料をみるとどの物件も3,500万円前後。しかも駅から遠い。車で15分ぐらいもかかる。それ以上近ければ、もっと高いか狭いかになってしまう。

通勤に1時間30分以上もかかってしまうことになる。現在はドアtoドアで45分。そんな僻地には住みたくないし、ログハウスと土地を合わせたら、少なく見積もっても5,000万円以上かかってしまう。高い金を出して、首都圏というだけでそんな不便なところに住むのか。

とくに驚いたのは、BK村という分譲地だ。東松山市に近いTTJ線「MR」から車で15分ほどはいったところにあった。
周りは田園地帯。武蔵野の面影がまだ残ってはいるのだが…
すり鉢状の山の斜面にびっしりと小さな住宅が張りついているのだ。こんなに自然があるところなのに、50坪ぐらいの宅地が造成され、となりの家屋とのきを接している。バブル時期の分譲地なのだろう。道は狭いし、アップダウンがきつい。山岳のゴルフ場でももう少しフラット。そんな感じだ。

現実は厳しい。はやくも僕らのログハウス計画に暗雲が立ちこめた。

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