裏面

 

題名

花咲く頃の憂鬱

 

 

 

 

 

 

 

出演者

菅野久夫・新谷一洋・中進・東銀之介・白石禎・前野修・稲垣広貴・藤堂貴也 ・宍戸久一郎
聖あやみ・もたいまさこ・光永吉江・村田ユチコ・竹内久美・柴田みどり・渡
辺えり子

 

渡辺えり子

 

演出

渡辺えり子

 

作曲・演奏

福島一幸

 

美術

和田平介

 

照明

森田三郎 和田典夫

 

 

 

 

音響

原島正治(囃組)

 

 

 

 

スタイリスト

久我山もえ

 

舞台監督

武川喜俊 / 助手 井原陽子

 

宣伝美術

上野紀子

 

宣材デザイン

サンルーフ

 

企画製作

パルコ
プリティペア

 

製作協力

桑山プロジェクト

 

惹句・挨拶

岸田戯曲賞 受賞後第一作

俺の頭ん中にゃちっちゃな部屋があって、木造モルタルのその古いアパートで
誰かがひっそりと待ってるんだ。そこから俺は出かけたのに違いないが、出かけ てもなんだかそこに帰るために出かけてるみたいでね、どこかに踏み込んで「お かえり」なんて声かけられたら、俺、狂うかもしれない。

(渡辺えり子の文章「音」掲載)

 

その他・
備考

 音 渡辺えり子

十年住み慣れたアパートを引っ越して三月(みつき)になる。木造モルタルのその古いアパートは、逃げた私を追い駆けて、そちらの方から時々こちらに引っ越してくる。そしてその煩(うるさ)さはひっくり返した赤んぼうよりものすごく、アパートの騒音から逃れるために借金までして引っ越した私の労を夢の中の小人達のように、あざ笑い、逆立ちして、舌を出す。その恐しいほどに無知蒙昧で活気のある音達は、書けよ書けよと耳元で囁く魔性の劇団員にも似て、ある種独特な、その時を共有した者にしか判らぬ、捨てがたい愛といったようなものがある。じゃあ書きましょうと、文豪のマネをしてたばこを吹かし、内心のノイローゼに化粧を施しこの新作を書き出した次第である。

こちらが引っ越したためにとてっもない生き物と化した汚ないアパートは、もしかしたら劇場の中までやってくるかも知れない。そしたらみんなで呪文を唱え、あるべき場所まで帰さねばならないが、それがもし私の頭の中なのだとすれば、一生眠らずにいなければなるまい。

 

 

 


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