B級なミニキーボードの研究
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mini keyboard
研究の目的
狭い自宅で自分好みのキーボードを使うためにあれこれ思考錯誤してみました. 秋葉原のジャンク屋などを巡回していたりするのですが, 残念ながら未だにこれといったモノに巡り会うことができないので, 自分のイメージに近いモノに既存のモノを改造してみることにしました. その結果,十分満足できるモノになりました.(^v^)
ALPSのAXキーボード万歳!!
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目次
 

■自分好みのキーボードとは?

私自身は昼間働いている某有名事務機メーカーでもAXキーボード (メカニカルスイッチタイプ)を利用しています.

これにはいくつか理由があります.

大前提として,最近の計算機コストの関係上PC/AT互換機を利用しているので, PC/AT互換機で使えるキーボードでなければなりません(BeBoxでも使いたい からというのもアリ). PC/AT互換機で使えるキーボードは今のところはPS/2またはATキーボードであり, キー配列の違いが主たる差異です(まぁ最近はUSBキーボードもありますが, IRQ 0を空けることができる以外に特にメリットとなることはほとんどなく, ドライバの不備や設定の不備などによって動作が不安定となるなどのデメリットが 大きい). したがって,PS/2またはATキーボードではキー配列が選択の焦点となります.

では,どんな配列が私に合っているのでしょうか?

私はこれまでSUN WSの利用期間が長かったため,SUN TYPE4キーボードの 配列に慣れています. 人間の習慣を変えるためには,相当の訓練期間などのコストがかかります. 私のB級なコスト意識からすると,人間の訓練コストはかなり高いです. ではSUN TYPE4を使えるようにすればいいのではないかとも思われるでしょうが, SUN TYPE4キーボードをPCで使えるようにするには,高価なSUN用変換器などが 必要であり,これまたコストがかかり過ぎます. また,あんなに巨大なものは当研究所には空間コストの関係上置けません.

それで,代替手段としては,配列の似ているキーボードを探すということに なるわけですが,この場合に最も優先されるのが左Ctrlの位置です.

左CTRLキーの位置
写真1: 左CTRLキーの位置(画像歪みアリ)
私はEmacsを常用していて,Emacsから離れられないので, SUN TYPE4キーボードのように左手小指の"A"の左横の位置に 左Ctrlキーがなければ非常に使いづらいのです. 通常のいわゆる101(104)キーボードやいわゆる106(109)キーボードだと, Caps LockとCtrlをソフトウェアで入れ換えることもできますが, 当研究所ではOSを度々インストールすることがあるので,あるOSの新しい バージョンをインストールする度にこういったキー入れ替えソフトウェアの 設定をするのは,作業コストがかかりますので,うれしくありません.

さて,左手小指の"A"の左横の位置に左Ctrlキーがあるキーボードは いくつかありますが,メールをやりとりするために"@"を よく使いますので,Shift+2で"@"が打てることもキーポイントとなります. (というか,その他の記号類もコーディングのときのタッチタイピングには もちろん重要ですが)

ここまででは左手小指の"A"の左横の位置にCtrlキーのある 101(104)キーボードでも代用が効くと思われますが,さらに重要な点が AXキーボードにある"変換"キーです.

写真2: 変換キーと漢字キーの位置

最近Windows 9x/NTでのドキュメント作成が増えているのですが, 日本語IME切替え(IME-ON/OFF)のときに101キーボードのデフォルトだとALT-ESCで 切替えます. AXキーボードだとこれを漢字キー(101キーボードのALTとスキャンコードが同一) 一押しで切替えできることをどこだったか忘れましたが知恵を仕込みました. しかも,右ALTキーは右手親指をちょいとずらせばうまく押せる位置にあるので, それまでEmacs(mule)+Wnnでeggのデフォルトキーバインド(Ctrl-\)で IME切替をやっていた私にとってはCtrlを左手小指で押しつつ, "\"キーを押すよりも画期的にやりやすく,もはやUNIXを使っていても 離れられなくなったのでした.

さて,Windows 9x/NTでは101(104)キーボードを利用していても,AXキーボード用の デバイスドライバを使えば,ALTキー(AXキーボードでは漢字キー)でIME切替が 可能です. AXキーボードと101(104)キーボードではALTキー(AXキーボードでは漢字キー) のある位置は同じです(というかキートップの印字が違うだけ). ここで,AXキーボードには漢字キーの左横に右手の親指をほとんど動かさずに 押せる位置に"変換"キーがあるのです. これをALT代わりに利用すれば,右手親指をちょいずらすという予備動作なしに IME切替えが可能になるのです.

ここで,AXキーボードがメカニカルスイッチタイプである必要があります. メカニカルスイッチであれば,キーボードを分解して,キーボード基板の配線を 半田コテとジャンパ線で切った張ったすれば,"漢字"キーと "変換"キーを入れ換えることが容易にできるのです.

写真3: フレキシブルシートへのジャンパ

余談:
最近のメンブレンスイッチタイプのキーボードではフレキシブルシートの上に 配線がなされており,ジャンパを飛ばすために 半田ゴテを当てるとフレキシブルシートが熔けてしまい, 並大抵のテクではたちうちできません.
しかし,フレキシブルシートの上に銅箔テープを張って, 銅箔テープとフレキシブルシートの配線との 接続部を熱線補修剤(SOFT99 126)で接合して ジャンパを飛ばすというB技研開発のテク(笑)を用いて メンブレンスイッチ+フレキシブルシートタイプのキーボードに ジャンパを飛ばし,テンキーレス化することにも成功しています.
銅箔テープを張り付けてしまえば,銅箔部分には半田づけすることも 可能です.

さて,以上のように,

  • 左CTRLキーが"A"キーの横にある
  • 変換キーが右手親指のホームポジションにある
  • ジャンパを飛ばすための改造がやりやすい
という理由で,メカニカルスイッチのAXキーボードが私にとってベストだという ことがわかりました.


■テンキー部分をブッタ切る

長々とした前振りにおつき合いいただきましてありがとうございました. ここからがB級なキーボード改造の本題です(笑).

AXキーボードは大抵が古いものが多いので,メカニカルスイッチを採用した キーボードがほとんどです. 私の手元にはfj.comp.fleamarketで譲ってもらった4枚のAXキーボードが あるのですが,うち3枚はALPSがOEMしていたAXキーボードです (ALPS OEMの3枚のうち,1枚はSANYOキーボードと書いてあり,2枚はJCCの X-Station用と書いてあります).残り1枚はSANYOキーボードと書いてありますが, 中身は富士通のOEMでした. あと,AXキーボードもどき(キー配列はAXなのだけれども変換キーと無変換キーがない) の富士通製のキーボードはメンブレンスイッチでした.

作られた時期を類推すると,古いものから順に

  1. ALPS OEM AXキーボードのうちの1枚(SANYOキーボード)
  2. ALPS OEM AXキーボードのうちの2枚(JCC X-Station用)
  3. 富士通OEM SANYOキーボード
  4. 富士通製 AXキーボードもどき
という感じでしょうか? これらを見るとキーボード製造のコスト削減努力の後が伺えます. (1→2ではキートップに埋め込まれたLEDがキーボード右上にまとめられている. 2→3では基板が変更され,メンブレンシートをメカニカルスイッチで 押す仕様になっている. 3→4ではメカニカルスイッチを使わないようになっている.) しかし,実際に使ってみてヨイと感じるものは古いものだったりします. 低価格化やコスト削減のために失われたものというのも大きいなぁという 気がしますね.

さて,これらのAXキーボードのうちで,ALPS OEMのSANYOキーボードを私は特に気に入っています. というのも,このAXキーボードのメカニカルスイッチは私にとって非常に心地よい キー押圧/ストロークを提供するものでした.3枚のALPS OEM AXキーボードの中でも 1枚(SANYOキーボード)はこのメカニカルスイッチが多少異なっていて, 最近のメカニカルスイッチ特有の「カチャカチャ」,「ガチャガチャ」という 音でなく,「カタカタ」という音のするスグレモノなのでした.

写真4: LEDが埋め込まれたキースイッチ
また,最近のキーボードのようにキーボード右上にNum Lock, Caps Lock, Scroll Lock, カナLockのLEDがあるというのではなく,キー自身にLEDが仕込まれて いるというマニア心をくすぐる逸品なのでした(写真 3).

さて,このような逸品ですが,さらに私にとって使い勝手のよいものにする ために省スペース化を図ることにしました.

私には使用頻度の低いテンキーはスペースを占有するだけの邪魔モノでしか ありません. なので,ここでは,先ほどのカタカタというよい音のするメカニカルスイッチの AXキーボードをテンキーレスに仕立てて{キー配列/キータッチ/省スペース/マニア心を くすぐる}というすべてにおいて私の要求を満たすパーフェクトなものにしてみました.

やることは半田づけの知識があればいたって簡単です. 基板をブッタ切って,途中の切れた配線のうちの必要な部分だけをつないでやれば いいのです. ただし,ブッタ切った基板の一部にICが載っていたので,これをつなげてやる 必要がありました.(実際はこのICはキーボードのLEDを制御しているだけなので LEDを使わないのであれば接続する必要もありませんでしたが,キースイッチに LEDがついているマニア心をくすぐる逸品をあだやオロソカにはできますまい(^^;) あと,こまごまとしたダイオードや抵抗があったので,とりあえず配線どおりに ユニバーサル基板上で実装しました.

さて,実際の作業ですが,次のような流れです.

  • 基板および筐体の切断
  • 切断された配線の再接続
  • テスト

まず,基板をブッタ切ることですが, このキーボードはキースイッチを保持する金属板が表側についており,基板と金属板 の両方を切らなければ,テンキー部分を分離することができません. この金属板ごとブッタ切ることができるような器具を持っている人はいいのですが, 私が持っているのは金ノコ1つ...

しょうがないので,キースイッチの半田を半田吸い取り線を使って 1つ1つ吸い取って,キースイッチを全部外して金属板と基板を分離し, それぞれを金ノコで切断しました.この作業に約2時間かかりました.(T-T)

でも,副産物として,金属板のキースイッチに隠れていた部分のお掃除が簡単に なりました.(それだけでもよしとしよう)

次に,テンキー側の基板にあるLED制御用のICを適当なユニバーサル基板に 実装し,元の配線とにらめっこしながらジャンパ線で配線をします.
写真5: LED制御ICを載せたユニバーサル基板(表)
写真6: LED制御ICを載せたユニバーサル基板(裏)

さて,配線できたなら,基板を筐体に戻して,各種ケーブルを接続し, PCに接続してみてテストです. 適当なテキストエディタなどを開いてすべてのキーを押下してみて, 所望のキー入力ができていることが確認できたらOKです. ちなみに私は1回でOKでした(そんなに難しいものではないので,配線さえ間違えて いなければ,正常に動作するのは当たり前といえば当たり前).

で,完成したのがこれです.
写真7: キーボード基板(表側)
写真8: キーボード基板(裏側)
写真9: テンキーレスAX


■AXキーをCS-124の切替えスイッチに流用する

さて,次に私が愛用しているCS-124という4入力1出力の キーボード/モニタ/マウス切替器を使いやすくするためのキーボードの改造です.

CS-124にはフットスイッチという切替えスイッチのオプションがあり,もともと これを使っていたのですが,足癖の悪い私は足をあらぬ方向に放り出していたり, イスの上であぐらをかいていたりするので,足でキーボード/モニタ/マウスを 切替えるのはどだい無理だということが経験上わかり,やはり手で切替えることが よいと思うようになりました. そこで,キーボード上のキーで切替えられないかと考えたのでした.

フットスイッチを調べてみると単なるプッシュスイッチであり,1回プッシュスイッチ を押すと1→2→3→4→1の順で,次の入力へローテートするという仕様でした. (これでフットスイッチがオプションで3,000円もするのだから,もったいなかったなぁ)

さて,単なるプッシュスイッチなので,テンキーレス化であまったキースイッチを 使って,ちょちょいと半田づけして,接続テストしてみると何とも簡単に 切替えることができるようになるではありませんか.

写真10: AXキーのパターンカット
そこで,キーボードを改造して,キースイッチに割り付けてしまいました. AXキーボードには左上にAXキーという任意の用途に利用可能とされているキーが あります. これをキーボード/モニタ/マウス切替器の入力切替えスイッチとして流用しました. 基板上のAXキーに対する配線をパターンカットし,キースイッチの根元をCS-124の フットスイッチの配線へと接続してやるだけでした.ここでは配線がしやすい ようにジャンパポストを基板上に設置しました. ジャンパポストには接続するジャンパ線を差し込むだけで接続でき,キーボードの 改造のたびに筐体を開けてはジャンパを半田づけし直すのは面倒だったので, すごく便利になりました.

こんな超お手軽な改造でも満足のいく仕上がりとなり,AXキーを押すだけで 4台分の切替ができるようになりました.


■CS-124の切替えLEDを実装する

さて,AXキーを押すことで1→2→3→4→1とローテートするようになったのは いいのですが,今度は一体どのマシンに入力がつながっているのかを確認するために いちいちCS-124の前面パネルを見なければならないのは作業効率上よくありません.

そこで,CS-124の基板からLEDに対する配線を引きずり出してやり,キーボードの AXキーの近辺にLEDを配することで,キーボード切り替え時の 視認性を高めてやることにしました.

配線に関しては,CS-124の改造のページで詳しく紹介しますので,ここでは 改造後のLEDの点灯している様を紹介するにとどめておきます.

写真11: 入力1
写真12: 入力2
写真13: 入力3

それにしてもこの改造は私にとっては非常にgoodな改造でした.やはり必要は 発明の母というのは昔も今もかわりないようです.(^-^)

 
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