確かにとても不自然な録音になっていて、ヘッドフォンで聴くとケーブルの断線かコネクタの接触不良かと思ったくらいです。ただ私が聴く限り、歌は確かに右チャンネルだけからですが、ピアノは両方(右は少し弱い)のチャンネル、ベースとドラムは両方から聞こえてきます。中央が無音状態というのは、音の分離がきついためもしかしたら左右のスピーカーの距離が開きすぎているのかもしれません。たぶんリリースされてから米国では指摘はあったのだと思います。ドリス・デイが晩年に発売した『マイ・ハート』というアルバムにこのプレヴィンと録音した曲が1曲だけ収録されていて(「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ(My
One and Only
Love)」)、その録音は普通に聴くことができます。この『デュエット』も編集し直して再リリースされることを切に願うばかりです。ドリス・デイの最高の歌唱が聴けるアルバムなのですから。