できればNetscapeでみてほしいなあ

去年に引き続き、今年もコンサート通いが続きそうです。
音楽的なことはかけないから、コンサートをネタにしたエッセイ集、になればいいな。

2001年3月19日
朝比奈隆 ブラームス・チクルス
朝比奈 隆:指揮
豊島 泰嗣:ヴァイオリン
毛利 伯郎:チェロ
新日本フィルハーモニー交響楽団
サントリーホール 1階12列7番 S席

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ブラームス:交響曲 第4番

標準語のオケ、標準語のお客

 朝比奈求めてニシエヒガシエ。やってきましたサントリーホール。南北線が通ってから、交通の便もよくなったし、アークヒルズ内のオープンカフェは、なんにも頼まなくても座ってられるし。昔よりずっとイメージがよくなったよ。サントリーホール。

 開場を告げるからくり時計が鳴り響いて、重そうなドアが開いて。チラシくれるお姉さんにチケット渡そうとしたら、「チケットは中の方で」。そうか。ロビーではチケットいらないのね。
 ロビーで売ってるCDは、当然のことながら新日フィルの物が多くて。ワーグナーのリング全曲なんて、大阪の会場じゃあみたことないよなあ。なんてお上りさん気分。ってお上りさんなんだけど、正真正銘。
 チケット切って、客席にはいると。おお、シンフォニーホールよりでっかいぞ。椅子の間も心持ち広くて、奥行きも広い。天井はシンフォニーの方が高いのかな。昔何回か来たことあるはずなんだけど、もう忘れたね。すっかり。

 お客さんは、平日だったせいか、会社帰りのおじさん多数。会社帰りのOL同士ちらほら。学生さんらしいカップル、中年夫婦、御両親への接待、その他諸々。ちょっとした社交場。作業着のままとか、ジーパンにセーターとか、そういうのはあんまりいないね。まあ梅田と違って、会社から歩いて会場、なんて人はほとんどいないからかな。
  そして、喋ってる言葉は、そりゃあもう標準語。僕自身は関東出身だから、標準語は自由に操れる、と思ってたんだけれども、東京で知らない人に話しかけるときは一度頭の中でおさらいしちゃうよね、きちんと標準語かどうか。そして、周りから標準語が聞こえてくるとちょっと、違和感。もう大阪人になりかけてるのかな。

 さて。
 新日フィルは大阪フィルと違って、大部分のプレーヤーが開演ベルの後にぞろぞろと入ってくる。そして、チェロとヴァイオリンのソリスト。そして朝比奈さん。お客さんの話を聞くともなしに聞いていると、やっぱり外タレ扱いの朝比奈さん。

 1曲目は協奏曲。
 はっきり言ってあんまり興味ないんだよね、コンチェルト。ソリスト二人とも男だし。。。ちょっとヴァイオリンが鳴りきらない感じだけど、チェロのソロはいいなあ。床に直接付いてるから音響くのかなあ。
 あ、音楽的なこと知りたい人は、いいページ紹介するから言ってね。

 そして、休憩のあと、ブラームス4番。
 これがねえ。もう。
 前のコンチェルトの時から思ってたんだけれども、音のまろやかさって言ったらもう。すんごいよ。
 大フィルの場合は、どんなにいっぱいの楽器が鳴ってても、あれとこれとそれ、って鳴ってる楽器が分かる(気がする)んだけれども、新日は分からない。ものすごくブレンドされて、まろやかな全体としての響きが聞こえてくる。もちろんオケのせいなのかホールのせいなのかは知らないけれどもね。
 ブルックナーのようにブラスばりばりって曲じゃないからかなあ、とも思ったのだけれども、トゥッティでもそうだから、オケの音なんだろうなあ。

 でもこれがね、ブラームスにぴったり。楽章が終わった後の、響きの余韻がだんだん消えてくところなんか、いいよぉ。それからホルンのソロ。もうこれ持って帰ろうよ、大阪に。ね、朝比奈さん。
 もう全編この音が気持ちよくて。それに浸ってたらあっという間に過ぎちゃった。

 ただ、4楽章の後は早急な拍手とブラボーで、ちょっと残念。音楽聴いてたらあのタイミングでは手をたたけないと思うんだけれどもなあ。それから、カーテンコールの時に、二階席の人が結構慌てて何人も帰っていく。どうしたのかな、と思ったらステージに集まってるのね。一般参賀のために。
 きちんとオケに拍手してから来るのが礼儀だろう、とは思うのだけれども。まあ外タレだからしょうがないか。何しろこっちみたいに毎月朝比奈さん聴けるわけじゃないもんね。ってちょっと自慢。

 いやあ、来た甲斐ありました。ヒガシマデ。
 都響のブルックナーはとれそうにないけれども、来年のN響の英雄。これはがんばって取るぞ!!!

(演奏会のまえに)
 ずっとどうしようか迷っていたのだけれども、行きます。サントリーホール。大フィル以外の、初めての朝比奈さん。

 

2001年3月15日(木)
大阪フィル「春を呼ぶコンサート」
小林 研一郎:指揮
小山 実稚恵:ピアノ
大阪フィル
ザ・シンフォニーホール  2階AA列30番 A席

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
リスト  :ピアノ協奏曲 第1番
マーラー :交響曲 第1番

 春を呼ぶか、コバケン/マーラー

 つい三日ほど前までは、雪が降ったりして滅茶苦茶寒かったのに、今日はぽかぽか陽気。一冬着続けた黒いジャンパーを脱ぎ捨てて、ちょっと軽めのハーフコートでザ・シンフォニーへ。コバケンは、僕のこころにも春を呼んでくれるかな。

 なんかとっても久々のザ・シンフォニー。二月はフェスだったし、一月の悲愴は、裏から観たから、なんと去年の11月、ロマンティック以来のザ・シンフォニー。そして初めてのコバケン。初めてのマーラー。

 開幕前はコーヒーとドーナツでちょっとおなかを押さえて。座席は二階席の一列目、ほぼ真ん中。よくポスターとかにあるオーケストラの俯瞰ショットが観られるところ。
 時間になって、チューニングが終わって。走ってきたコバケン。コンマスと握手して、観客に挨拶して、そしてオケに礼をしてから指揮台にのぼるコバケン。暗譜のコバケン。

 ヴェルディ、運命の力。
 冒頭。ラッパとトロンボン。
 これがさ、よく鳴るんだ。この曲に限らず、今日のオケは鳴りまくり。大フィルって鳴るやん。やっぱブルックナーで感じた欲求不満は座席のせいなのかなあ。それならいいのだけれども。

 ピアノ協奏曲
 ピアノに限らずコンチェルトって、結構人気あるんだよね。おれにはよく分からないんだけれども。今日のピアノはあんまり好きじゃないなあ。音濁ってるし。音粒のむらか知らないけど、きこえない音もあるし。でも気持ちよかった。うとうとして、気がついたら終わってた。
 不必要に長いピアノへのカーテンコールのあとの休憩。20分間うとうとしたり、ピアノ片づけるの見物したり。

 さて、マーラー。
 コンチェルトではスコアを観ながら振ってたコバケン。マーラーではまた暗譜に戻って。
 そして一楽章がはじまった。

 マーラーってさ、なんか難しそうだよね。声が入ってるやつとか、やたら長いやつとか。編成とかもやたら大きくて。ちょっと取っつきにくいから、結構敬遠してた。今回のチケット買ってから、大昔に買ったムーティの巨人を引っぱり出して聴いてたのだけれど、親しみやすいメロディが唐突に聞こえてくるけれど、全体像はよく分からない。取っつきにくい純文学系かな、って。

 ところがさ。
 生で聴くマーラーは、ちっとも取っつきにくくない。一楽章は、弦のロングトーン(トレモロ、じゃないよねえ)の上で管が代わる代わる遊んでて。ラッパももっぱらミュートつけたりして。ハープからヴァイオリン、ビオラと左右に音が流れるピチカートとか、余韻充分の全休止とか。(ああ、ブルックナーの全休止がこのホールで聴けるんだ。。。)
 二楽章からは、ホントに歌にでもなりそうなメロディを弦バスのソロでとか、一つのメロディを、ファゴット、バスクラ、チェロって引き継いでディミニエンドしてったりとか。なんかおもしろいしかけいっぱいで目が忙しい。

 そしてホルン8,ラッパ4,トロンボン4,チューバのブラス隊。ティンパニ2セット、バスドラ2つ、5人の打楽器。木管はダブルリードが多くて見分けがつかんし。こいつらを一気に鳴らし切る終楽章。いいなあ。こりゃあ純文学と言うよりは、ブ厚いノベルスだね。
 ところで、ホルンとラッパの間に、おねーちゃんが座っていたのだけれども、このおねーちゃんが、ずっとぴくりとも動かない。一楽章途中からずっと気になってみてたのだけれども、動き出したのはなんと、ラストの1分間。ラッパのアシだったのだけれども。まったく出番のない3楽章まで、まめにパート踏めくってたね。ご苦労様でした。

 さて、その最後一分、練習番号52の5個前からは、ブラス隊総立ちの大祭り。佐渡さんのローマの松もびっくりするほどのフルブロウ。コバケンて大馬鹿やね。これはブラボーではなくて、口笛とかイェーイ、とかでしょう。ちなみにものすごいほめ言葉よ。誤解のないように断っておくと

 カーテンコールというか、長いソリスト紹介のあとは、コバケンの挨拶と、アンコール。これが練習番号52の5個前から。つまりフィナーレの1分間。
 これ、いる?
 この大盛り上がりの必然性を1時間かけて築いてきたのに。そこだけ抜き出して。しかも演奏は本編にはとてもかなわない。なんのためにあったのでしょう? ちょっと理解に苦しみます。

 しかしながら、ちょっともやもやしていて、気分転換がほしかった僕には大満足のコンサートでした。そして、二階席で観るブルックナー三番勝負も、とても楽しみになってきました。

(演奏会のまえに)
 さて、3月は怒濤の週三回コンサート。怒濤のマーラー。今回はコバケン初体験。「ライブの人」コバケンは、どんなマーラーを聴かせてくれるのでしょう。
 予習の巨人は、ムーティ/フィラデルフィア。あ、もちろんヴェルディもね。どっちも15年くらいまえに買ったCDだね。なつかし。

 

2001年3月10日
'01 J1 1stステージ 第1節
名古屋市瑞穂競技場
SS席バック Tブロック196番

名古屋グランパスエイト vs 浦和レッズ

 さて。プロ野球より一足先に、新世紀のJリーグ開幕。
 去年は武者修行の旅に出ていた浦和レッズも、無事に帰ってきた。

 今年前半でいなくなりそうなJの2大スーパースター、小野伸二とピクシーを観に、大阪からはるばる名古屋までドライブ。
 大阪は曇り。途中の関ヶ原は雪。名古屋は、、、瑞穂に下り立ったときに降っていたのはみぞれ。さむいっす。

 

2001年2月9日(金)
大阪フィルハーモニー交響楽団 第345回定期演奏会
朝比奈 隆:指揮
大阪フィル
フェスティバルホール 
A席 1階 N列 R3番

ブルックナー:交響曲 第8番 ハース版

 決戦の、金曜日。

 金曜日にコンサートがあると、一週間の過ごし方が変わるよね。体力と気力のピークを金曜日の夕方にもって来なきゃいけないから、平日は早く寝るようにしたり。耳を澄んだ状態にするために、パチンコは遠慮したり、ウォークマンもしなかったり。前の日はお酒も断とう、、とは思ったんだけどつい習慣で呑んでしまったり。そうそう、若い楽団員のやってるHPを覗かない、っていうのも大切な準備だね。
 予習用のCDも、前の週によく聴いて、土日に気合い入れて聴いて。その後は火曜日に一回軽く聴く。なれすぎたり、飽きたりしない聴き方って、難しいよね。
 まあ、そうやって二週間も前から気合いのはいる演奏会って、そうはないのだけれども。今回は、その気合いのはいるコンサート。朝比奈ブルックナー7番勝負の、第二回。

 すっかりはまってるよ。ブルックナー。半年前までは、まったく知らなかったブルックナー。今回やる8番のディスクは、いつの間にやら、朝比奈3種、ヴァントにヨッフムと、5種類の演奏が集まってた。あ、フルトヴェングラーもあったっけ。一番聴いたのが朝比奈/94年モノかな。響きが好き。

 さて。当日。
 朝比奈のブルックナーとあって(っても前回の4番はがらがらだったけどね)、定演なのだけれどもいつもよりヒトが多め。少なくとも一階席には空席はない。休憩なしの一発勝負だから、開演前のトイレも混雑気味。
 20分くらいまえに入場したのだけれど、チケット売場を覗くでもなく、そのまま席に直行してパンフに目を通したら、目をつむって時を待つ。こんなこといったらいけないのかもしれないけど、やっぱ新世界や悲愴とは気合いが違う(俺のね)。

さて、演奏。なんだけれども。

 いやー、でっかいね。ブル8.なんだかんだいってもCDだと2枚に分かれて入ってるから入れ替えが息抜きになるし、そもそもそんなに気合い入れて聴かないからだけど、こんなでっかいんだ。って。
 それからね、3楽章。ライナーとか今回の曲目解説とかにも、「比類のない美しさ」とか「人間の英知を越えた美」とか絶賛されてるんだけど、いまいちピンときてなかったんだ。そうか?って。ところがね。これがほんとなんだ。ホルンのデュオの美しさっていったらもう。今までなに聴いてたんだろう、って思っちゃうよね。それが延々と続くこの至福。いいなあ。これなんだなあ。これがブルックナー。

 でも全体的にはどうだったんでしょう。ホルンのソロは相変わらず本番に弱いし。フレーズの切り方が雑でメロディがつながってないところも幾つもあったし。あと、トゥッティのバランスが期待してたものと違ったし(これはね、私の席のせいなんですけど。金管すべて見えないのに、バストロのベルだけは真正面に見えている、っていう)。

 あと、客席。なんかざわついてるのはしょうがないのかな。演奏中って、意識して耳のゲインをあげてるから、客席の雑音がやたら入ってくる。隣のおっちゃんのいびきや、後ろのおっちゃんの楽章ごとの話し声、トゥッティからピアニシモになったとたんの遠慮のないくしゃみとか。最悪なのはやっぱり演奏直後の拍手。余韻もなにもあったもんじゃないブラボー。あんななに聴いてんの? オケと一緒に息はいてたら、そんなタイミングで声だせるわけないじゃん。っていうほどの絶妙なタイミング。もう、、、

 なんか書いてていやになっちゃった。ごめんね、読んでくれる人も。本当はとってもいい演奏で、家に帰っても4楽章とか口ずさみながらにこにこしてたのに、なんか変な文章になちゃったね。

 やっぱり平和な気持ちで聴きにいかないと、楽しめないね。

 

2001年1月26日(金)
2001 南海コンサート
朝比奈 隆:指揮
大阪フィル
ザ・シンフォニーホール 2階W列18番 B席

チャイコフスキー:スラヴ行進曲
チャイコフスキー:交響曲 第6番 悲愴

初体験!正面からの朝比奈さん

 さて、久しぶりのザ・シンフォニー。
 このところ、立て続けに朝比奈さんがあって、しかも企画モノが続くので、どうしようかな、と思わないこともなかったんだけれども。でも、だからこそ。
  本当に気合いを入れたコンサートではもったいなくてできないけれども、一度はやってみたかったこと、やっちゃいました。

そう。 今回の席は、ステージの裏側なんです。

 今まで、テレビ放送とかでしか見たことがない、指揮する朝比奈さんを正面から見られる席。
 発売日に電話かけ続けた甲斐あって、一列目の、ほぼ真ん中。打楽器奏者の頭に触れるくらいの席。

 さて、曲。チャイコフスキーの「悲愴」。試聴盤は小澤/ボストン。だって安かったんだもん。。。こればっか。
 CD聴いて思ったんだけど、結構むかし好きだったんだ、この曲。親父の世界名曲全集なんて黴の生えたレコードとか、ノイズだらけのFMを必至にエアチェックしたりとかでよく聴いてた。「悲愴」なんてわりには、結構派手な曲だな、って思ってた。

 前座のスラヴ行進曲と休憩が終わって、入ってきた朝比奈さん。そして、一楽章。
 本人がヴァイオリン弾きだからなのかどうか知らないけれど、朝比奈さんの弦楽器に対する指揮は、管楽器に対するそれとまったく違う。きっと、管はソロ楽器だから、って思ってるんだと思うけれども、フレージングから強弱から、ほとんど指示を出さないんだ。ところが弦のパートになるともう。楽器ごとに押さえろ、もっと出せ。左手ふるわせてヴィブラート。テンポも細かく揺すって「うんっ」って気合いのうめき声。

 そして、でてくる音は、重厚で華やかで、そして緊張感にあふれて。

 もちろん、ステージの上から聴いてるから、ティンパニは下から響くし、ラッパは譜面台の音が直接跳ね返ってくるし。トゥッティのフォルテシモが止んで弦のピアノ、なんて時は耳がハレーション起こして聞こえないし。
 でも、でも。
 ベートヴェンの3番の2楽章や、7番にあったあの緊張感を、また聴けた。ポピュラー音楽のように、ビートに乗って自然に進んで行くんじゃなくって、ほっとけば止まろうとする音楽を、一人の男が支配し、動かしていく緊張感を。おとこの表情を、身振りを見ながら聴くことができた。

 2,3楽章はだれてたけど。。。

 そして4楽章。華やかだった今までの反動で、どこまでも暗くしずんでいく「悲愴」。
 フィナーレ。コントラバスのピアニッシモが静かに消えて。
 完全な静寂。
 朝比奈さんが指揮棒を下ろして。
 朝比奈さんがスコアを閉じて。
 そして、朝比奈さんが指揮台を降りようとしたとき。ようやく起こった拍手。
  いつものような派手さはないけれども、じわじわと長引く、拍手。

 かんむりコンサートだから、普段クラッシックに縁がなくて義理で来てる人が多いと思うから、ブラボーがなかったのも、最後の間も、曲に呑まれて、と言うよりはタイミングが分からなくて、ということかもしれないけれども。
 いつもの待ってましたブラボーより、ずっとずっとよかった。

 ベートヴェンやブルックナーのように、当然のように名演奏を期待していったコンサートではないけれども(あの新世界の後だしね)、ちょっとにこにこして小雨の路に出ていける、もうけもののコンサートでした。
 ありがとう、朝比奈さん。
 そして、大フィルのみなさん。

 

2001年1月13日
大阪フィル第344回定期演奏会
尾高 忠明:指揮
榎田 雅祥:フルート
若林 顕 :ピアノ
フェスティバルホール 1階N列R3番 A席

武満 徹 :フルートとオーケストラのための「ウォーター・ドリーミング」
バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番
シベリウス:交響曲 第1番

あー、楽しかった

 さて、気を取り直して。
 定演会員第2弾。武満とバルトークとシベリウス。武満とバルトークは、現代の中では古典的、というくらいの知識しかない。もちろん初聴き。
 シベリウスは、去年佐渡さんで聴いた2番。フィンランディアみたい。ってのが感想のすべて。みんながんばったね、っていうかんじ。
 予習CDは、シベリウス。オーマンディ/フィラデルフィア。安かったんだもん。でもけっこう好き。

 前日、新年会でほぼ朝まで飲んでいて。やばい、土日ってマチネーだったっけ!って飛び起きたのはマチネーだったら余裕で間に合わない時間。フェスはマチネーじゃなかったのね。よかった。
 この日、大阪はけっこう寒くって。梅田で立ち寄った店、けっこう時間くってお昼ご飯も食べる暇なくって(おいおい7時開演だぞ)。でもまあ、ちょっとうきうき、5日ぶりのフェス。気楽に聴けるコンサートって、久々だよね。

 定演会員も2度目となると席にもなれて。周りもよく知った顔で。チケット売場覗いたらコバケン/マーラーのいい席があったから買っちゃって。。。
  さて演奏。
 1曲目、武満。ううむ。よくわからんのね、武満って。ノヴェンバー・ステップスもわからんかったけど。幽玄を目指してるんだろうなあ、とは思うのだけれども。冴えないフルートソロの後ろでがんばってたファゴットが印象的でした。
 2曲目、バルトーク。これ、すき。2楽章がとっても綺麗。クラッシック聴いてて、綺麗っていうの、なかったよね。交響曲しか聴かないせいもあるかもしれないけれど。これ、ほんとに綺麗。でもピアノのパートじゃなくって、弦のところだけど。あと、ピアノの後ろで飛んだり跳ねたりしてる指揮者もおもしろい。
 休憩、いつもならふらふらするんだけれど、客席でじっとしてた。寒かったからね。
 そして、メインは、シベリウス。この曲は1楽章のブラスのメロディがかっこいいんだけど、開演前に、幕間に、みんなして練習してる。さて、指揮者のダンスに、どんな音が飛び出すかな。

 いやあ、これ、楽しいね。飛んだり跳ねたりの指揮者に、飛んだり跳ねたりのオケ。佐渡さんよりももう少し軽めの飛んだり跳ねたりで、すごくわかりやすい。
  最後のピアニッシモも、オーバーデスチャーでしっかり決めて。
 1,2曲目でフライング拍手してた斜め前のおっちゃんも、一瞬、余韻を噛みしめてた(まだまだ、短いけど)。
 朝比奈さんの時のような、緊張感はないけれど(あくまでも僕にね)、気楽な、楽しい演奏会でした。

 帰りは雨で寒かったから、いつものように梅田まで歩かずに地下鉄に乗ったんだけれども、楽器ケースとスーツケースを抱えた人たちがいっぱい。さすがプロ、撤収早いね。

 

2001年1月8日
第70回大阪フィル新春名曲コンサート
朝比奈 隆:指揮
伊藤  恵:ピアノ
大阪フィル
フェスティバルホール 1階P列R10番 指定席

ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番 皇帝
ドヴォルザーク 交響曲 第9番 新世界より

新世紀の聴き初め、新世界

 前世紀は第九で終わったのだけれども、その10日後、おんなじところ、おんなじ演奏者で新世紀の始まりは新世界。
 ちょっと前から、演奏会のメインの曲くらいは初めて聴く、っていうのやめようとCDで予習してるんだけれども。新世界はムーティとリーバ。10年以上前にムーティの買ってたのすっかり忘れて、廉価版のをもう一枚買っちゃった。
 まあ、聴くまでもなかったんだけれども。

 新春名曲コンサートだからかもしれないけれど、なんかいつものコンサートとは客の感じが違うね。ちっちゃい子供や、若いカップルとか。おばちゃんが一人で来てるのも目立ったかな。いろんな人が聴く地元のオケ、いいね。
 さて、演奏は。

 まず皇帝。これも、中学校の音楽の時間に聴きそうな有名曲。おなじみのメロディがとっても心地いい。
 ただね。なんかざわざわしてるんだなあ。いや、演奏じゃなっくって、客席がね。あっちから赤ちゃんのぐずついてる声がするかと思えば、こっちでは紙袋探ってるようながさがさって音がずっとしてる。あげくに携帯鳴らすやつもいて。
 演奏会ってさ、音の合間の静寂を楽しむんだよね。家のオーディオでは絶対聴けない、音圧の合間の、絶対的な静けさ。
 そりゃあ、2000人もいるんだから、しわぶきひとつない、ってのはなかなかないんだけど、でもちょっとざわざわしすぎだなあ。

 休憩のあとの、新世界。気付けに一杯、ワインを嗜んでのぞんだ新世界。
 この曲って、一楽章から四楽章まで、どこをとってもいいメロディで、わかりやすいんだけれども。その分BGMとして聴いちゃうことが多くって。CD2枚でけっこう予習したつもりなのに、一楽章の頭とか、二楽章のブレイクとか、えっ、こんな曲なんだ。ってのが結構あって、おもしろかった。
 でも、前の日に、ムーティ/フィラデルフィア聴いちゃったのはちょっと失敗かな。どうしてもブラスに耳がいって比べちゃう。この席、ちょっと前過ぎてブラスが見えないから、その分音の迫力も感じにくいみたい。

 でも、お年賀の名曲コンサート。くさくさした11連休の締めくくり、いい気分ででてきたよ。
 今年も一年、満足してホールをあとにできますように。

 

あ、そうそう。
去年のコンサートは、こっちね。