“ウィンターズ・ボーン” ★★★
Winter's Bone
(2010年アメリカ映画)

監督:デブラ・グラニック
原作:ダニエル・ウッドレル
脚本:デブラ・グラニック、アン・ロッセリーニ

出演:ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、シェリル・リー、ディル・ディッキー

 

サンダンス映画祭でのグランプリ受賞をはじめ各地の映画祭で評判を呼んだインディーズ系クライム・ヒューマン・ドラマ、だそうです。

ジェニファー・ローレンス演じる主人公は、アメリカ中西部ミズーリ州のオザーク高原、見捨てられたような土地で貧しく生きるドリー家の長女=リー、17歳。
とうの昔に家を出たままの父親が、麻薬製造で逮捕され、自宅と森林を保釈金の担保にしたまま失踪。このまま父親が現れなかったら家を空け渡して貰わざるを得ないと、リーは保安官から宣告されます。
残る家族は、病気で廃人同様の母親と、まだ幼い弟と妹だけ。リーが懸命に一家の面倒を見ている状況で、自宅から追い出されたらこの家族が生きていく道はない。
親族や村人たちに深入りするなと危険を警告されながらも、弟や妹を守るため、リーはあえて危険な道に足を踏み出し、父親の行方を探そうとします。生きているかどうかに限らず。

内心に不安や恐怖、絶望を抱えながらも、家族を守るため前に向かって進もうとするリーの懸命な姿は、胸に深く刻まれずにはいられません。
そのリーを、若干20歳のジャニファー・ローレンスが見事に演じています。
おそらくは本作品、彼女の代表作としてずっと名を残すのではないでしょうか。

暗く、貧しく、作り上げられた感動シーン等とは全く無縁の作品ですが、そうした環境でも強く生きていくことはできるのだということに感動を覚えます。
最後、幼い弟と妹が姉のリーに身を寄せるようにして、3人が自宅の玄関外の階段に座り込んでいるシーンが、忘れられそうにありません。

2014.03.23

amazon.co.jp
  
  


  

to 映画note Top     to 最近の映画 Index