“セレンディピティ−恋人たちのニューヨーク− 
SERENDIPITY
(2001年アメリカ映画)

監督:ピーター・チェルソム
脚本:マーク・クライン

出演:ジョン・キューザック、ケイト・ベッキンセール、ジェレミー・ピヴェン

 

題名の「セレンディピティ」とは、“幸せな偶然”とのこと。
手袋売り場で知り合ったジョナサンとサラの2人は、つかの間のデートでお互いに惹かれ合いますが、結果的に次に出会う偶然に期待して別れます。
幸せな偶然が再び巡ってくるかを託して各々の名前と電話番号を記したのは、5ドル紙幣とサラの持っていた本。紙幣は使われ、本は古本屋に売られます。そこまでばプロローグ。

本ストーリィはそれから数年後。ジョナサンとサラは、お互いに婚約者がいて結婚を間近に控えています。それなのに心の奥でひっかかっているのは、数年前の出会い。このままでは納得して結婚できないとばかりに、苗字もわからず名前しか知らない相手を必死で探し始めます。
結婚式の時間が刻々と迫り、緊迫感つのっていく展開にすれ違いという要素が加わったストーリィ。この辺りは私好みなのですが、納得感がないというのが最後まで残る不満。
何故そんなに数年前偶然出会ったに過ぎない相手を捜し求めるのか、結果的に放り出された各々の婚約者には何の落ち度もみられないではないか、という点。
これまでの数年間ずっと捜し求めていた、結婚が目前に迫っていきなり火が付いたという説明付きではあるのですが、それでもなぁ。往生際が悪すぎるのです。
もし、相手のことをずっと忘れていたところに突然証しとなる5ドル紙幣、本が現れたことから、“幸せな偶然”に目が覚めて相手を探し始めたという展開なら、もっと納得できたことでしょう。

主役のジョナサンを演じるジョン・キューザックより、彼のために一生懸命協力して共にサラを追い求める親友・ディーン役のジャレミー・ピヴェンの方が良い味を出していたな、と思います。

2005.01.03

      


  

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