“エール!” ★★☆
La Famille Belier
(2014年フランス映画)

監督:エリック・ラルティゴ
原案:ヴィクトリア・ベドス
脚本:ヴィクトリア・ベドス、エリック・ラルティゴ他
出演:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ

  

フランスの田舎町、牛を飼い、家族でチーズを作って売っているベリエ家は、長女で高校生のポーラを除く3人=両親と弟が聴覚障害者という一家。
耳が聞こえないために話すことも出来ないとあって、ポーラがいつも家族の通訳役。
そんなポーラが学校で歌の才能を見い出され、音楽教師からパリの音楽学校へ進学するためのテストを受けるよう勧められるのですが・・・・。

家族に内緒で教師から歌のレッスンを受けていたポーラ、先に進む為ついに家族へ打ち明けるのですが、家族の反応はポーラが喜べるようなものではなかった。音のある世界と音が一切ない世界。
音のない世界に暮らす両親にとって、歌を歌いたいというポーラの希望は理解できないどころか、二者選択=家族を捨てる、あるいは裏切りのように感じられたのではなかったでしょうか。
でもそうじゃないんだ、家族があってこそ今の自分がある、(誰でもそうであるように)自分も親元から飛び立つ時を迎えただけなんだ、というポーラの心の底からの思いを切々と歌い上げるクライマックスは、感動に胸熱くなります。

アメリカ映画に比べるとヨーロッパ映画は総じて地味に感じられます。久しぶりだったからなおさらだと思いますが、華やぎに欠けているとついつい感じざるを得ず。
それでも地味だからこその良さもあり、またそれと関係なく、終盤でポーラが歌う場面はこれ以上ないというくらい感動的なものでした。

観て良かったと思う作品でしたが、それにしても性的なことに関する母娘のあけすけな会話は日本と違い過ぎて驚かされました。

2016.06.11

  
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