“美女と野獣” ★☆
La Belle et La Bete
(2014年フランス/ドイツ映画)

監督:クリストフ・ガンズ
脚本:
クリストフ・ガンズ、サンドラ・ヴォ=アン
出演:ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、アンドレ・デュソリエ

 

私としては3作目の「美女と野獣」。

とりあえずストーリィはというと、都会で裕福な暮らしをしてきた商人一家が、所有する貿易船を嵐で3隻とも失い、一気に没落。一家揃って田舎屋敷に移り住みますが、3人の兄と2人の姉は不満を募らせるばかり。あげくに長男は悪い筋から多額の借金を抱えこみ・・・と。
父親である商人、吹雪の中家に戻ろうとする最中、偶然見かけた城館に入り込みますが、そこは何と野獣の棲み家だったという次第。
その野獣が命という赤いバラを折り取った所為で商人、いったん帰宅することを許されたものの、翌日には野獣に命を捧げなければならない。それを盗み聞いた末娘のベルは、父親の代わりに自らが犠牲になろうと、一人野獣の城館に向かいます。
しかし、野獣がベルに求めたものは、昼間は自由に城の中を歩き回って構わないが、夜7時には食卓に着かねばならない、というだけのことでしたが・・・。

最新映画らしく、画面描写は技術が凝らされ見栄えがしますが、肝心の野獣とベルとの気持ちの通い合い、人間と獣の性の間で苦しむ野獣の内面という部分の描写が薄くなってしまっている、という印象です。
その点、1946年制作のジャン・コクトー監督による「美女と野獣」にはやはり及ばないと感じます。

現代的だなぁと感じた処は、下記の2点。
本作におけるベル像、古典的なヒロイン像と異なり、積極的・行動的で自ら野獣をコントロールしようと挑む辺り、精神的にもかなり強い女性という印象です。
しかし、王子様がバツイチとはなぁ、今ひとつ盛り上がりません。

2014.11.01


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