“インビクタス/負けざる者たち” ★★★
INVICTUS
(2009年アメリカ映画)

監督:クリント・イーストウッド
原作:ジョン・カーリン
脚本:アンソニー・ベッカム

出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン

   

1990年の南アフリカ共和国。アパルトヘイトに反対し27年間も投獄されていた黒人指導者のネルソン・マンデラ氏がついに釈放される。そして94年、初の全国民投票によりマンデラ氏が大統領に就任。
気勢を上げる黒人側、警戒する白人側。両者の融和を成し遂げてこそ南アフリカ共和国は発展することができると信じるマンデラ大統領が、その融和の象徴として選んだのが、自国で開催されるラグビーW杯。

実話自体、感動的なものなのですが、それを超えて、本作品は映画として素晴らしい。
人間、そして言葉、それだけで全てを圧倒し尽くしてしまう。
余計な脚色も、バック音楽による盛り上げもなく、ただ、人、言葉。
そして、映画である以上、その圧倒力を生み出しているのは、マンデラ大統領を演じるモーガン・フリーマンの演技に他なりません。
この人、脇役としていぶし銀のような演技を見せる俳優で、「
ミリンダラー・ベイビー」でオスカー賞を受賞。私は「ベティ・サイズモア」以来のファンです。
名脇役が主役をはってみせると、こうも素晴らしい演技を見せるのか、見せてもらえるのかと、喜ぶ思いでした。

モーガン・フリーマン演じるマンデラ大統領の存在感が凄過ぎて、後で本物のマンデラ大統領の写真を見て、こんな好々爺かと脱力しました。
それぐらいに素晴らしい演技、素晴らしい映画。
米国を遠く離れた南アフリカ共和国を舞台にしたストーリィ、よくぞ目をつけたものだと驚きを感じます。クリント・イーストウッド監督作品、どこまでも目が離せません。

2010.02.11

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