“コーラスライン” ★★
A CHORUS LINE
(1985年アメリカ映画)

監督:リチャード・アッテンボロー
脚本:アーノルド・シュルマン

出演:マイケル・ダグラス、アリソン・リード、マイケル・ブレビンズ

 

ブロードウェイのヒット・ミュージカルの映画化作品。
ダンサーのオーディションという舞台裏をミュージカルに仕立てた発想が秀逸。

売れっ子ディレクターのザックの募集に、ダンサーを目指す大勢の男女が集まっている。大人数で課題曲を踊る中で次々と選考に残るものが指名され、残りは切り捨てられていく。凄いものだなァと思います。
最後に選ばれる者が何人かまるで示されないまま、応募者たちはいつまでもいろいろな形で踊らされ続けていく。そして幾つものそんな経過を経て、最終選考に残った男女。
その段階に至り、ザックは踊りだけでなく、彼らの人間を見ようとする。様々な質問を浴びせかけ、彼ら一人一人の人間ドラマが語られていく。歌や踊りを交えて。そこが一つの見所。

そのオーディション会場に、既にダンサーとして実績のあるザックの元恋人・キャシーが現れます。ハリウッドから戻ってきたらしい。ザックが止めようとするのも聞かず、キャシーは応募者に混じって踊ろうとする。
単に成功を求めるのではなく、舞台に立って観客の前で踊りたいという情熱、それを体現するのがキャシーであり、それはキャシーのみならず応募者全員に共通する思いのはず。
それらを経て合格者がやっと示される場面は、本作品中もっとも忘れ難い場面。

オーディション合格に夢をかける若者達の姿に人間ドラマが巧みに絡まされている、見応えのある作品です。

2006.01.22

      


  

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