“1917 命をかけた伝令 ★★
1917
(2019年イギリス/アメリカ映画)

監督:サム・メンデス
脚本:サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
出演:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング

 

出第一次世界大戦中の西部戦線が舞台。
ドイツ軍の後退が始まり、イギリス軍は一気にドイツ軍へ攻勢をかける予定。
しかし、ドイツ軍の後退は偽装、イギリス軍への罠だった。
航空写真でそれを知った司令部は前線部隊に攻撃中止を命じようとし、その命令書の伝令役を2人の若い兵士に命じます。
2人を選んだのは、その片方の兄が前線部隊にいるから、という理由。
命令を受け即時に2人は、塹壕から出て危険が待つ地域を抜けて前線部隊へ命令を伝えるため出発する、というストーリィ。

自軍の塹壕を出た2人の眼前には、何もない、荒涼とした景色が広がります。その荒涼さが目に焼き付いて忘れ難い。
仲間たちと一緒ならともかく、2人だけでその地域を抜けていくなんて、断れるものなら断りたい、そう思って当然のことでしょう。

2人の進む途中には、味方の戦死体がそれこそあちこちに、まるでそのまま放置されているといった具合に散らばっています。
そして、ついに敵兵と遭遇した2人自身に危険が・・・・。

戦争、戦場と言えば問われるべき結果は勝ち負けでしょう。
しかし、兵士個人の目から見るなら、自身あるいは同僚の生か死か、しかありません。
戦争の不条理さをもう、いやというぐらいに突き付けられる作品です。

本映画は伝令の役目を果たしたところで終わりますが、だからといって戦争が終わったわけではありません。明日にはまた戦闘が始まるはず。それもまた不条理といえば不条理でしょう。

2020.02.18

         


   

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