“恋愛準決勝戦” ★★
ROYAL WEDDING
(1951年アメリカ映画)

監督:スタンリー・ドーネン

原作・脚本・作詞:アラン・J・ラーナー
出演:フレッド・アステア、ジェーン・パウエル、
ピーター・ローフォード、サラ・チャーチル

 

アステアにとっては中期の代表作のひとつ。その為、昔何度かTVで観た作品です。図書館の貸出ビデオの中にあったことから、久々に見ました。
ストーリィは、アメリカのショーダンサー・ボウエン兄妹がエリザベス王女(現二世女王)
御成婚に沸くロンドンで舞台にあがるためやってくるところから始まります。兄トム役がフレッド・アステアで、根っからの独身主義者。妹エレン役がジェーン・パウエルで、こちらは名うてのプレイガールという設定。その2人が、それぞれダンサーのアン、プレイボーイで評判の貴族とそれぞれ恋に落ち、最後は御成婚日にあわせて結婚する、というもの。
ダンスシーンは、アステア一人のものと、ジェーン・パウレルと組んだショー舞台でのものと2つに分けられます。後者はアステアとしては大人しく、タップは少ない。本作品におけるアステアのダンスは、総体的に躍動感あふれるというより、より優雅さを感じるものです。
とくに、アステアが練習の場で帽子かけを相手に一人踊るシーン、そしてホテルの部屋で壁や天井まで伝わって一人踊りまわるシーンが圧巻、アステア作品の中でも特筆されるダンス・シーンです。本作品の魅力は、この2つのダンス・シーンにこそあると言って、言い過ぎではないでしょう。
それに付け加えると、ロンドンに向かう船の中で、荒波に床が傾く中よろめきながらボウエン兄妹が踊るシーンは、ちょっとユーモラス。
(アステアが姉アデールと組んでいた時代に英国へ船で渡った折、実際に2人が体験したことをヒントに設けられたダンスシーンのようです)
ただ、アステアの恋人役となるアン役の女優に不満が残ります。角張った顔つきでそれ程美人でもなく、恋人となるような魅力を感じません。ただ、このサラ・チャーチルという女優さんは、チャーチル元英国首相の娘とのこと。ふ〜ん、そうかぁ、と思わざるを得ません。

それにしてもこの“恋愛準決勝戦”という邦題、あまり良いものとは思えません。2組のロマンスだから決勝戦ではなく“準決勝戦”ということなのでしょうけれど、他に良い題名を思いつかなかったものか。

2001.08.02

  


 

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