“恋の手ほどき” ★★
GiGi
(1958年アメリカ映画)

制作:アーサー・フリード
監督:ビンセント・ミネリ
脚色:アラン・ジェイ・ラーナー
主演:レスリー・キャロン、モーリス・シュバリエ、ルイ・ジュールダン

 

少女から恋する女性へ成長を遂げるジジを描いたミュージカル。
といっても、「
巴里のアメリカ人」のように踊りまくるシーンはなく、唄だけと、ミュージカルというのはちと寂しい。主役がレスリー・キャロンであれば、それはなおのこと、と言わざるを得ません。
しかし、レスリー・キャロンの茶目っ気ある、陽気な演技が楽しめます。
レスリー自身は小娘というのはだいぶ無理な年齢だったろうと思いますが、まるで気になりません。レスリー・キャロンのファンとしては、これはこれで捨て難い作品です。

ストーリィは、モーリス・シュバリエを狂言廻しに展開します。
舞台設定は、1900年のパリ。
金持ちのプレイボーイであるガストンにとって、昔から知っているジジは、お転婆な小娘であり、気の置けない友だち。そのジジが何時の間にか若い娘という年頃になっていることに気付き、2人は一気に恋を自覚しあうようになります。
その2人の障害となるのが、それぞれの後見役を自認する叔父、祖母・大伯母という存在。片や女遊びの指南役であり、一方は愛人としての術のコーチ役。
恋を手練手管としてしか考えないこの老人たちに惑わされず、最後に2人は素直に愛し合う大切さに気付く、というハッピーエンド。

後半、子供っぽい服ばかり着ていたジジが、いっきにドレスアップする場面は、「マイ・フェア・レディ」のイライザを思い起こさせられます。事実、本作品はもうひとつの「マイ・フェア・レディ」と言って良い作品なのです。

※1958年アカデミー作品賞受賞。

2004.01.11

 


 

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