“空中レビュー時代” 
Flying Down to Rio
(1933年アメリカ映画 RKO)

監督:ソーントン・フリーランド 
出演:ドロレス・デル・リオ、ジーン・レイモンド、フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース

  

アステア・ファンの方から頂いたビデオで観た作品。テレビのロードショーの録画でした。
本作品はアステアの映画出演第2作。まだアステアは主役ではないのです!
主演は、ドロレス・デル・リオというメキシコ女優さんと、ジーン・レイモンドという2枚目男優ストーリィ自体は、陳腐三角関係です。
ストーリィは、
バンド・マスターであるプレイボーイ(ジーン・レイモンド)がまたまた女性関係でヘマをやってバンドがクビとなり、揃ってブラジルのリオ・デ・ジャネイロまで出稼ぎにきます。そこでまたヘマをやる原因となった女性(ドロレス・デル・リオ)と再会、三角関係が本格的に発展します。但し、ストーリィは、観るほどの価値はないもの。踊りが充分盛り込まれたミュージカルだというのに、主役の2人が踊りに殆ど関係していないのですから、何のためのミュージカルなんだ?と思わず呆れてしまいます。
アステアは、バンド仲間という脇役なのですが、主役のジーン・レイモンドをダンス・シーンの主役になることによって完全に喰っている、という気がします。ジンジャー・ロジャースも同様に脇役で、アステアのダンス相手という役どころ。
本作品の魅力は2つだけ。アステアのダンスと、最後の空中レビューのシーンです。
リオでは、キャリオカ・ダンスが人気沸騰中。現地で踊りだす観客の熱気に、アステアとバンドの女性メンバーであるジンジャー・ロジャースが負けずに踊りだします。額を寄せ合って踊る2人のキャリオカ・ダンスが注目点。このシーンが評判となって、アステア・ロジャースのコンビが結成される結果になったというのですから、この映画の価値はこのコンビを生み出したことにある、と言えるでしょう。
空中レビューは、飛んでいる飛行機・多数機の翼の上に女性ダンサーが立ち或いは座って並び、レビューを繰り広げる、というもの。アイデアとしては凄い!と思います。水中レビュー(エスター・ウィリアムズのMGM・水中ミュージカルを思い出します)があったのでしょうから、それに対抗するアイデアだったと思うのですけれど、よくまあ考えついたものだ、と思わざるを得ません。
アステア・ファンとしては、やはり観ておきたい作品、それに尽きます。

 
2001.05.04

 


 

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