“気儘時代” ★★☆
Carefree
(1938年アメリカ映画 RKO)

監督:マーク・サンドリッチ  
音楽:アーヴィング・バーリン 
主演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース

 

(再)
コミカルな要素が高い作品ですけれど、何と言ってもジンジャー・ロジャースの奮闘に眼を惹かれます。
ジンジャー演じるところのアマンダの方が先にアステア演じるトニーに恋する、という展開も他の作品にはあまりない筋立て。
ジンジャー・ロジャースについてはついアステアの添え物という見方をしてしまうのですが、本作品ではアステアよりジンジャーの奮闘ぶりの方が目立ちます。
アステアをダンスの相手に引っ張り出すのに思い切った手段に訴えたり、夢遊病状態で街を歩き回ったり、射撃場でライフルをぶっ放したりと、茶目っ気たっぷりの演技に目を瞠らせられます。
レストランでのダンスは“ヤムを踊ろうよ”というナンバー。これもジンジャーの方がむしろリード役でコミカルで楽しいダンス。
最後の最後まで、ジンジャー主導のコミカルな味わいが楽しめる作品でした。

2007.03.03

(当初)
アステア・ファンの方から頂いたビデオで観た作品。テレビのロードショーの録画でした。放映されていたなんて、気がつかなかったなぁ。
本作品では
、アステアは精神分析医トニー・フラッグ、ジンジャー・ロジャースはトニーの親友の恋人で患者となるアマンダ・クーパーという役どころです。アステアのミュージカル作品では、アステアは芸人という役の設定が多いのですが、本作品は珍しく、ダンス好きの精神分析医という非芸人の役であることに惹かれます。
また、これまで観たアステア&ロジャースのコンビ作品と比べると、本作品ではジンジャーが相当に目立っているのが印象的。
2人のコンビ作品は、どちらかというとフレッド・アステアが中心でジンジャーはその添え物という印象が強いのですが、本作品ではジンジャーの方がむしろ中心と思えるような構成です。
また、ユーモラス度も高い作品で、それは専らジンジャーの役どころと演技に依存しています。

ダンスでは、冒頭のアステア単独による、ゴルフ・クラブを利用してのゴルフ練習場でのダンスが見もの。作品全体としては、冒頭シーンなのでさらりと過ぎてしまいますが、さすがアステア!と、そのアイデアと上手さにう〜んと唸ってしまうダンス・シーンです。
圧巻のダンス・シーンは、ストーリィ半ば。レストランで、ジンジャーがアステアを誘い出して始まるもの。観ていて、とても楽しいダンス。自然と嬉しくなってしまいます。2人のダンスに、レストランの客大勢も誘い出されてダンスを始めるのですが、それも当然と思えるような楽しい雰囲気に満ちています。
今まで観た2人のダンスでは、一番楽しいダンスでしょう。
最後のオチもユーモラス。私の好みにぴったり合う、洒落ていてかつユーモラスな楽しい作品です。

2001.05.03

 


 

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