“遠くの空に消えた” 
(2007年日本映画)

監督:行定勲
脚本:行定勲
出演:神木隆之介、大後寿々花、ささの友間、小日向文世、鈴木砂羽、三浦友和、大竹しのぶ

 

空港建設の予定地となった馬酔村、そこで繰り広げられる地元住民たちの争いとそれを引き起こした空港建設を勧めようとする公団関係者。
その争いは、大人たちだけのことに留まらず、村の学校の生徒達の間にも影響を及ぼしていく。
そして損得やメンツばかり考えて夢を持てない大人たちのだらしなさ加減に見切りをつけ、ついに子供たちが空港建設予定地の麦畑に一晩で奇跡を起こそうと立ち上がる、というストーリィ。

子供たちの側を描く部分はまだ素直な展開なのですが、大人たちを描く部分はかなりハチャメチャな、現実離れした愚かい展開。このバランスの悪さ故に最後までストーリィに真剣に入り込むことが出来ませんでした。
大人たちの部分を真面目に描いてしまうと問題が大きくなり過ぎて、子供たちの部分を追いやってしまう故にあえてハチャメチャに描いたのだろうと思いますが、それにしてもと思わざるを得ない。

最後の奇跡も、子供たちの心情が判ることは判るのですが、必然性と納得に欠けていると感じます。
なお、大竹しのぶの存在感は見応えありますが、何のための存在?と思う。
折角観に行ったのに、最後まで釈然としない思いが消えず、残念と思った作品でした。

2007.08.22

      


  

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