“とんび ★★☆
(2021年日本映画)

監督:瀬々敬久
原作:重松 清
脚本:港 岳彦
出演:阿部寛、薬師丸ひろ子、安田顕、大島優子、北村匠海、杏、浜田岳、尾美としのり、麻生久美子

  

重松清さんの原作はもちろん読んでいますし、忘れ難い感動的なストーリィであるという記憶も残っています。だからこそ映画は観なくてもいいかなと思い迷っていたのですが、結局観に行ったのは出演者の顔ぶれに惹かれて。
阿部寛さん、薬師丸ひろ子さん、安田顕さんはもちろんですが、北村匠海、浜田岳、尾美としのり、麻生久美子さんたちも好きな役者さんたちです。

昭和37年、瀬戸内海に面した備後市で始まるストーリィ。
共に家族に縁がない安男・美佐子夫婦の元に待望の男の子=アキラ(旭)が誕生します。つつましいながら幸せな暮らしでしたが、アキラが3歳の時にある事故のため美佐子は逝ってしまう。
それから後、不器用な人間であるヤスとアキラの2人の、父と子の物語。
人騒がせなところはあるけれど好かれてもいるヤス、その子であるアキラを周囲の人たちも放ってはおきません。アキラは大勢の人たち、母代わりとなってくれる女性たちに囲まれてすくすくと育っていきます。
しかし、やがてアキラが実家を出て、東京へ巣立っていく日が訪れる・・・。

映画もまた原作どおりに感動的なストーリィ。何度も涙がこみ上げてくる場面に事欠きません。
阿部寛、安田顕、2人の熱演が圧巻。他の出演者たちも良い味を出してくれています。
母親役の麻生久美子さんは冒頭だけの登場ですが、最後まで良い面影を漂わせてくれています。

なお、最後の方、原作ではヤスの真骨頂とでも言うべき、忘れられない良いセリフがあるのですが、残念ながら映画ではその場面まで入れ込むのは無理だったのでしょう。
原作を読んでいない方には、本映画を観た後、是非原作を読んでいただきたいです。
映画の良さ、小説としての良さを両方味わうことができるのに違いありません。
是非お薦め!です。

2022.04.20

      
※原作 → 「とんび

            


  

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