“白い船” ★★
(2002年日本映画)

監督:錦織良成
出演:中村麻美、濱田岳、中村賀葎雄、尾見としのり、大滝修治

 

実話を元にした映画だそうです。
「白い船」制作委員会というものがあったようですから、この作品に対する意気込みも、実話が元になっている故のことでしょう。

ストーリィは、その数僅か17人という小学校の生徒たちと、沿岸フェリー船との交流を描いたものです。
この話は、今回ビデオで観るより前に本で知りました。映画公開に併せ、文/早坂真紀・絵/山口はるみという組み合わせで、昨年新潮社から単行本が刊行されているためです。清々しい文章+気持ちの良い絵という本で、書店店頭で立ち読みして済ませてしまった一冊。
映画はどうしても最低限の時間を作る必要があるため、ストーリィを必要以上に膨らませた観がありますが、その点は仕方ないことですし、それほど気になるものでもありません。

島根県の漁村にある塩津小学校が舞台。
それは、海を見下ろす山の中腹にあって、生徒数僅か17人という小学校。6年生の好平が授業中の窓から、沖合いに白い点を見つけます。次第に生徒の関心が盛り上がり、双眼鏡を持ち出したりして遂に判ったのが、直江津と博多を結ぶ九越フェリーの“レインボー・ラブ”号であること。
塩津小学校からフェリー船宛てに手紙を出した事から、生徒たちとフェリー船・船長たちとの交流が始まります。そして子どもたちの夢は、レインボー・ラブ号に乗ってみたい、と膨らんでいきます。

この物語が感動的なのは、フェリー船との交流より、子どもたちの願いを教師たち、親たち、塩津町の多くの人たちが何とか叶えてあげようと、皆が力を合わせて応援するところでしょう。たとえ17人と過疎の小学校であっても、塩津小学校に通う子供たちの幸せを感じます。爽快な気分を味わえる映画です。

2003.07.20

 


  

 to 映画note Top     to 最近の映画 Index