“青春デンデケデケデケ” ★★☆
1992年日本映画)

監督:大林宣彦
原作:芦原すなお
脚本:石森史郎
出演:林泰文、柴山智加、岸部一徳、尾美としのり

 

舞台は、1960年代中頃の四国・香川県の観音寺町。
ラジオから突如流れてきたベンチャーズ「パイプライン」の、雷が落ちるようなエレキギターの響き。それに刺激された藤原竹良(チックン)はエレキ・バンドを結成しようと思い立つ。
本作品は、ロックバンドに熱をあげたそんな高校生たちの3年間を描いた青春映画です。

何よりも、素朴なところが良い。
観音寺町という田舎町の風情、高校の様子にも懐かしさが感じられます。
そして、ロック・バンドを結成した5人の仲間たちに限られず、一緒になって応援してくれる同級生の女生徒たちも交えて、高校生活という純粋な時代が描かれているのが嬉しい。
夏休み、同級生の女の子がチックンを突然海に行こうと誘いに来て、思い出となる一日を過すエピソードも爽やかで忘れ難い。私の好きな部分です。

原作を読んでから本映画を観るまで、だいぶ時間がかかりました。
小説を読んだ時ほどの興奮はありませんが、小説にはない素朴さ、高校時代の味わいがあり、原作とはまた違った映像ならではの楽しさがあります。
すこぶる気持ちの良い映画です。

※私自身は東京生まれ、東京育ちで結婚するまでずっと親との同居生活だったものですから、高校から大学へ進学した時期に段差、岐路という思いはないのです。地方の高校を出て都会の大学へ進学した人は、何かしらこのチックンのような思い出があるものなのでしょうか。

2005.02.05

    
※原作 → 「青春デンデケデケデケ」

    


  

to 映画note Top     to 最近の映画 Index