“手 紙 ★★★
(2006年日本映画)

監督:生野滋朗
原作:東野圭吾
脚本:安倍照雄、清水友佳子
出演:山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵、尾上寛之、田中要次

 

東野圭吾の同名小説の映画化。
兄は弟を大学に入れたいと思い一生懸命に働いていたが、運送業で腰を痛めてしまいクビとなる。思い余って泥棒にはいったところ、その家の老婦人ともみ合いになり誤って老婦人を死に至らしめてしまう。刑は無期懲役。その刑務所に入った兄・武島剛志から弟の直貴宛てに毎月のように手紙が届く。

大学進学を諦めて働き始めた直貴は、服役中の兄がいると知れる度に職を替え、住まいを変えざるを得ない。親友と組んだ漫才コンビで人気が出てくるが、喜んだのも束の間、またもや・・・・。
懲役という本人が受けている罰の方が重いのか、いわれなき差別という身内が受けている罰の方が重いのか。それはどちらとも言えないこと。
主人公の直貴に対しては何と気の毒なことと思いますが、だからといって周囲の人間を責めることもできない問題です。最終的には、杉原直樹演じる勤務先の会長の言葉どおりに生きていくしかないのでしょう。

映画が良いというより、まず原作そのものが良いのでしょう。
そして、沢尻エリカ演じる由美子という女性の存在がとても良い。最初はただ可愛いだけの女の子という印象だったのですが、ストーリィが進むにつれ健気さ、ひたむきさ、そして最後に強さを見せていく女性。

気持ち良い感動が長く心に残る作品です。

※良い映画を観ると原作も読んでみたいと思うことがよくありますが、今回は映画で充分良かったから原作は読まなくてもいいかな、と思う次第。東野さんには申し訳ないことながら。

2007.05.27

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