“恋は五・七・五!” ★★
(2004年日本映画)

監督:荻上直子
脚本:荻上直子
出演:関めぐみ、小林きな子、蓮沼茜、橋爪遼、細山隆人、杉本哲太

 

俳句とは全く無縁だった高校生がひょんなことから“俳句甲子園”で優勝を目指すことになるという青春映画。
俳句という題材に意外性がありますが、私が知らないだけで、実は今俳句はポップなのかもしれない。
半強制的に集められたメンバーは各々落ちこぼれ生徒で、やる気のなさばかり目立ちます。大会に出場しても元々自信がないから、連戦連敗。
でも、最後の最後に俳句の楽しさをつかみとった5人の姿がとても清々しい。
スポーツものとは一味違った文系青春ストーリィ、爽やかさが魅力です。

ストーリィはというと、統廃合を2年後に控えた松尾高校。なんとか校名を歴史に残したいという校長は、気弱な国語教師の高田マスオに突然俳句甲子園への出場を命じます。
無理やり集められた部員は、漢字が書けない帰国子女の高山治子、デブだからとチアリーダー部をクビになったマコ、野球部の万年補欠部員・山岸、写真部の土山。そして治子を慕うウクレレ少女のPちゃん、という個性的な5人。

私も運動は苦手。体育系スポ根ストーリィにはコンプレックスをもってしまう方なので、こんな文系スポ根物語に出会うと嬉しくなってしまいます。
本作品のネタとなっている「俳句甲子園」、実際に毎年8月、正岡子規ゆかりの愛媛県松山市で開催されているそうです。
高校生がひねり出す俳句というのも、なかなか楽しいものです。
作品中に登場する数々の俳句、気持ちの良いものも、堅苦しいのも、苦笑してしまうものもありますが、そんな風に楽しめるのも俳句のもつ魅力だろうと、再認識しました。
ただ、この映画に登場する大会の強豪高校、その露骨な体育系ぶりには笑ってしまう他ありません。その風刺はかなり強烈です。

エンディングで、海岸沿いの道を主人公が自転車で走りながら詠みあげられる一句は、「駆け抜ける 青春恋は 五・七・五」。
その爽やかな余韻が実に気持ち良い。
それにしてもこの類の青春作品、どうして四国からばかり生まれるのか。

 
2005.10.10

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