受 難 ★★
(2013年日本映画)

監督:吉田良子
原作:姫野カオルコ
脚本:吉田良子
出演:岩佐真悠子、渕上泰史、伊藤久美子、奥浜レイラ、内田亜希子

 

姫野カオルコさんの何という小説か!?と思った快作「受難」の映画化。
率直に言って本作品が映画化になるとは思ってもみませんでした。女性監督だからこそ映画化できたのでしょう。

男性に全く縁のない若い女性=フランチェス子、何と言うことかある日気が付くと、股間に人面相ができてしまいます。いくら使う可能性がないからといってと思うもののそこは常人とは少々感覚が異なるフランチェス子、人面相に「古賀さん」という名前を付け、親しみます。
まるで人と没交渉同然の生活を送っているフランチェス子にとって、「ダメ女」と年中罵倒されようと、話し相手がいるだけ幸せなのか。
いつしか奇妙な同居生活がフランチェス子にとってもかけがえのないものとなっていく、というストーリィ。

とにかく場所が場所ですから、フランチェス子が語りかけようと古賀さんを覗き込む様子がまた愉快。なお、人面相の出来た場所、原作とは少々違うような気がしますが、映画としてはこれが適切なのでしょう。
主演の岩佐真悠子さんの、自分を卑下して淡々としているフランチェス子を演じて好演。この演技で第23回日本映画プロフェッショナル大賞新進女優賞
を受賞したそうです。
作品としても風変わりなストーリィではあるものの、ユニークな味わいを感じさせてくれる佳作に仕上がっていると思います。

珍妙なストーリィですから好き好きとは思いますが、原作と合わせて本映画、私としてはお薦めしたいところです。

2014.08.10

    
※原作 → 「
受難


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