“青い鳥” ★★
(2008年日本映画)

監督:中西健二
原作:重松 清
脚本:飯田健三郎、長谷川康夫
出演:阿部寛、本郷奏多、伊藤歩、井上肇

 

重松清さんの名品「青い鳥」の映画化。
原作には8篇の物語がありますが、本作品はその内の一篇「青い鳥」を映画化したものです。

イジメ問題から生徒の一人が自殺未遂を図った東ヶ丘中学2年1組。
学校はクラスの生徒全員に原稿用紙5枚以上というノルマを課した反省文を書かせ、それを5人の教師がチェックして不十分とみれば何度でも書かせる、等の対応をとって事件を決着、あとは指導を強化して再出発するだけという状況にようやく持ち込んだと考えていたところ。
そこへ、心労で長期休暇をとった担任教師に代わって臨時に赴任してきたのが、村内という、吃音のひどい教師。
その村内は、日直に命じて自殺未遂して転校していった生徒の机と椅子を教室に戻させ、毎日「おはよう」と話しかける。
当然のごとく反発する生徒や親たち。しかしその中には、未だ苦しみ続ける生徒が一人いた。 

無理やり書かせた反省文をもってして事件は決着とする学校側の倣岸さには辟易しますが、つかめずにいた村内先生の意図がようやく判るのは、結末近くなってから。それまでは地味にストーリィが展開していきます。
イジメとは何か、その解決とは何か。そして教師とは何か。
村内先生の言わんとするところが通じて初めて、胸打たれます。

原作に収録された8篇とも素晴らしいのですが、映画化となればその1篇に絞らざるを得ないのは仕方ないこと。
地味ですが、原作の感動を素直に伝えた作品だと思います。
ただ、阿部寛さんの演じる村内先生、私のイメージより、若過ぎ、恰好良過ぎるという感じですが、好演。

本ストーリィだけではとても伝わらない多くのものがありますので、是非本映画を観、そして原作も読んでいただきたい作品です。

2009.08.25

 
※原作 → 「
青い鳥

         


  

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