“兄を持ち運べるサイズに ★★
(2025年日本映画)

監督:中野量太
原作:村井理子(「兄の終い」)
脚本:中野量太
出演:柴崎コウ、オダギリジョー、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大

 

村井理子さん原作のノンフィクション・エッセイの映画化。

村井理子さんについてはよく知らず、作品も未読でしたが、柴咲コウ、満島ひかり主演ともなれば、これは観ておこう、となるのは私として当然のこと。

エッセイストである村井理子(柴崎コウ)の元に夜遅く、塩釜警察署から電話がかかってきます。兄(オダギリジョー)が部屋で死んでいるのを発見されたという。発見者は同居していた小学生の甥。なお、その甥の良一は現在、児童相談所で保護中と。
メールで金の無心ばかりしてくるだらしない兄ですが、離婚して他に身寄りがないと言われれば致し方なく、予定の仕事を片付けたのち、兄が住んでいた東北の町に向かいます。
警察署で理子を迎えたのは、元兄嫁の加奈子(満島ひかり)と姪の満里奈。

そこからは、妹・元妻・娘という3人で、なんでここまでしなくちゃならないんだと思うくらい、住んでいた部屋の片づけ等々に奮闘。

最初は、自分勝手で生活力がなく、平気で嘘ばかり吐く?、どうしようもない人間と思うしかなかった兄が、元兄嫁と二人でいろいろ思い出すうちに、リアルな人間像を浮かび上がらせていく、という展開が面白い。

ストーリーそのものについては、いろいろに思うところがありますが、とにかく柴崎コウと満島ひかりの揃い踏みが見応え有り。 好いんだなァ、これが。
とくに、柴崎コウさんのちょっととぼけたような雰囲気が絶妙です。
なお、元義姉妹というこの二人、「りこちゃん」「かなちゃん」とお互いに呼び合っているところが、連帯性を感じさせてくれて、素敵です。

それにしてもオダギリジョーさん、最近露出度が高いなァ。

2025.12.02

                 


  

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