富豪の父親と、美人有名コラムニストの母親に囲まれ、幸せな人生を送るはずだったのに、どこがどう間違ったのか。
両親が離婚。そして父親は、母親の親友であったはずの女性と再婚。
ひそかに憧れていた女性だっただけに主人公はむしろ喜んだのですが、実はその継母こそ両親の離婚を引き起こした張本人。しかも、結婚すると急に主人公を邪険にしだし、まるで邪魔者というが如くに主人公は家を追い出されて寄宿学校を転々・・・。
最初、面白そうだったのです。
出版社サイトに村上春樹さんが書評を載せているのですが、村上さんがいうとおり、本書はまさしくディケンズの世界、「ディヴィッド・コパフィールド」の現代版ではあるまいか、と思いました。
しかし、如何せん長い、長過ぎる。上下2段組で延々
500頁。
長さの問題だけでなく、図書館からの借出し期限が迫っていてじっくり読んでいる余裕がない。ですから、すっ飛ばしました。すっ飛ばして読み上げました。
じっくりきちんと読んでいれば、もっと面白く感じられたかもしれません。でも、現に読み飛ばして読んでしまったので、評価は「★☆」。
主人公である著者、まぁ何と次々と悪い方向にばかり進んでいくのか。継母がそうであれと仕向けていたにしても。
父親も実母も、著者のことより自分が大事。子に対する愛情がそもそもあるのかと疑問を抱いてしまう程、身勝手さ余りある。
それなのに筆者は、父親の愛情を求める気持ち、すこしも変わるところない。だからこそ、切ない。
余りに金があり過ぎると人間は、家庭は、むしろ不幸になってしまうという典型例のように感じます。
※なお、表題は、何か嬉しいことに出くわす度、筆者がつぶやく口癖のことば。
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