ボブ・トーマス著作のページ


40年以上にわたってフレッド・アステアと付き合い、その間に何度もインタビューに及ぶ。他に、B・クロスビー、W・ディズニーら多くの映画人の伝記を執筆。

 


 

●「アステア ザ・ダンサー」● ★★
 
原題:ASTAIRE THE MAN,THE DANCER”     訳:武山好古




1984年発表

1989年01月
新潮社刊
(2400円+税)

 

1989/03/17

 

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本書は、米・ミュージカル映画の代表的なスター、フレッド・アステアの伝記です。私にとってはジーン・ケリーに並ぶ台好きなミュージカル・スターであり、迷わず買って読みました。

冒頭にも語られていますが、“アステア”とは即ち“完璧”を意味する。アステアを一言で語ろうとすれば、それ以外には無い、と言って良いでしょう。
とにかく読んで面白かった。アステア映画をまた観るような楽しさがありました。アステア・スタイルと言うか、アステアの人間・人柄をそのまま彷彿させる一冊です。
映画におけるシーンの写真が、ふんだんに収録されていることが何より嬉しいこと。そしてまた、アステア自身の語りが合い間合い間に挿入されていることが良い。
著者トーマスの文章が、あっさりとして気取らない、いかにも好紳士といったアステアの印象に相応しいものだったことも、大いに楽しめた理由のひとつでしょう。

ジーン・ケリーとフレッド・アステア。どちらがより優れたダンサーだったか、どちらの方がより好きか、という問いにはとても答えられるものではありません。したがって、本書もジーン・ケリーと比較する場面はなく、あくまで対女性との関係で論じられるアステアでした。
アステアのスタイルとは、自然な完璧さ、優雅さ、独特であって流行に左右されないものでした。そんなアステアに触れることができる著作ということで、充分に楽しめた一冊です。

アステア、1983年/ボードビルの時代/ブロードウェイそしてロンドン/RKOとジンジャー/彼、ひとりで/引退とカムバック/テレビジョン/新しいキャリア/ロビン

Fred Astaire 1899〜1987
幼年より姉と組んでボードビルの舞台、ブロードウェイ、ロンドンの舞台で活躍。姉が引退したのち映画界に入り、ジンジャー・ロジャースとのダンス映画で世界を魅了する。戦後多くの映画に出演すると共にドラマ・TVにも出演。1950年アカデミー特別賞、81年AFI生涯功績賞を受賞。
※ → 「フレッド・アステア自伝

  

★ フレッド・アステア出演映画リスト ★

  


 

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