グラハム・ハンコック著作のページ


Graham Hancock 元「エコノミスト」社の東アフリカ特派員。「神々の指紋」は、5年間にわたる世界各地での調査の後に執筆され、英国で刊行後、ベストセラーとなった。

 


 

●「神々の指紋(下)」● 原題:"FINGERPRINTS OF THE GODS" ★★  訳:大地舜  




1995年発表

1996年2月
翔泳社刊
(1500円+税)

 

1996/10/19

私が読んだのは下巻だけ。上巻は結局読まず仕舞いに終わってしまいました。
この下巻は、ピラミッド、スフィンクスの謎を解き明かす書。
注目する点は、著者がすべてを推論している訳ではなく、自分の感じた疑問とそれに対する新たな学説を結び付け、明確に整理を行なった上でそれを読者に提示している、ということにあるでしょう。
ピラミッドをめぐる疑問。そして、スフィンクスの傷痕を水害の後と判断し、エジプト王朝を従来の学説から遥かに遡る紀元前1万4千年から1万1千年に建設されたものとする。そして、エジプト人の前に遥かに高度な文明があったと結論づけます。そしてその時期のエジプトは、緑に覆われた大地だったと説明する。
では、その高度な文明は何処へ消え失せたのか?
アトランテイス、ムー大陸の伝説は根強くありますが、大西洋、太平洋さらにインド洋にも、そのような大陸の跡がないことは実証済みであると言います。
それ故、それだけの高度な文明を栄えさせる条件を充たす大陸で残るものは、南極大陸だけだと唱えます。上記の時代、南極はもっと温かい地域にあった。その後、地殻の大変動が生じ、ノアの箱船等にうたわれる大洪水が発生して、今の大陸が形成されたという。その洪水の結果、高度な文明は破壊、滅亡したけれども、その偉業が南米やエジプトに残されたという。ですから、その証拠となるものを探すには、南極を調査するしかないと主張する。
エーリッヒ・デニケンの宇宙人説も面白かったが、南極への関心と解決の可能性を示唆するという面では、本書の方が興奮させられます。
古代文明は常に永遠の謎であり、心躍ります。読み応え十分な著作でした。

第6部 ギザへの招待状−エジプト1/第7部 永遠の支配者−エジプト2/第8部 結論−本体はどこに?

 


  

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