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1.海蝶−海を護るミューズ− 2.海蝶−鎮魂のダイブ− |
「海 蝶」 ★☆ (文庫改題:海蝶−海を護るミューズ−) |
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2022年04月
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海上保安庁初の女性潜水士となった忍海(おしみ)愛・25歳の挑戦と覚悟、そして海難事故をめぐるミステリ・サスペンスを描くストーリィ。 父親(正義)は今も現役のベテラン潜水士、5歳上の兄(仁)も特殊救難隊に所属する潜水士。家族が揃ってそうだからと愛がこの道を選んだものではなく、潜水士になると決めたのは9年前の東日本大震災で母の命を救えなかったという悔いから。 しかし、危険と隣り合わせ、勇気だけでなく体力も腕力も必須だからこそ男ばかりの世界であった潜水士の世界に女性が入り込んでくるというのは、感情的な反発だけでなく、やり難いことが多々あるという困惑も男性側潜水士にはあるようです。 その辺りの事情が冒頭、リアルに描かれます。 そして潜水士として初めて向かう海難事故現場は、八丈島沖。 救助を要請してきた女性を保護するものの、もう一人の男性を発見することはできず。 しかし、救助されたその女性の行動には不可解なものが・・・。 後半は、上記海難事故をめぐるミステリ、そしてサスペンス。 初めての現場で大きな危機、試練にぶつかった愛が、どう覚悟を決め、再び潜水士の仕事に向かうのか、そこに読み応えがあります。 海上保安庁の潜水士といえば、映画「海猿」で注目を集めた仕事。しかし、実際の業務はあんなに格好良くも感動的なものでもないと、何度も警告されます。 男性潜水士を象徴する“海猿”に対し、女性潜水士なら“海蝶”だろうと長官が命名した、というのが本書題名の所以。 お仕事小説気分で読み始めたのですが、そこは吉川愛梨さんらしく、ミステリ・サスペンス系のストーリィになっていました。 序/1.出航/2.海難/3.ブラックアウト/4.フラワーマーメイド号事件/東日本大震災/5.家族 |
「海 蝶−鎮魂のダイブ−」 -- | |
2022/05/-- |
近日中に読書予定 3・11(2011年)/1.海のいいわけ/2.分断/3.フェリーきたはくば号事件/3・11(2023年) |