|
|
1.ご新規熱血ポンちゃん 2.風味絶佳 |
●「ご新規熱血ポンちゃん」● ★☆ |
|
2007年05月
|
ちょっと恐そうなイメージがあって、今まで手を出してこなかった山田詠美作品。 「風味絶佳」の評判が良いので読みたいと思ったのですが、図書館では貸出中。ちょうど本書があったので借り出し、まずは本書で山田詠美さんを知っておこうと読み出した次第。 冒頭からアップテンポで始まったエッセイにちょっと驚かされました。 ※高樹のぶ子氏を主にした筒井康隆氏とのやり取りには、思わず笑ってしまいました。作家幾人かの素顔にも触れられたことは楽しかった。 |
●「風味絶佳」● ★★ |
|
2008年05月
2006/01/25 |
「日頃から、肉体の技術をなりわいとする人々に敬意を払って来た。(中略)職人の域に踏み込もうとする人々から滲む風味を、私だけの言葉で小説世界に埋め込みたいと願った」というのが、「あとがき」における詠美さんの弁。 その言葉どおり、本書収録の6篇はいずれも肉体労働に従事する人たちを恋愛の当事者として描くラブ・ストーリィ。どこか和んでいられるような雰囲気がとても心地良い短篇集です。
和むような雰囲気は、主人公たちがいずれも等身大の恋をしている所為ではないか。
本書中で私が一番好きなのは「夕餉」。味気ない夫婦生活+義父母との同居生活を飛び出し、ごみ収集時に知り合った作業員と同棲する美々という女性が主人公。自分にできることは、彼の血や肉になるおいしい料理を作ること。ひたすら一生懸命に料理することが、彼女にとって最大の自分にできることなのでしょう。料理という味わいが加わっているからこそ、特に楽しいと感じる一篇。 間食/夕餉/風味絶佳/海の庭/アトリエ/春眠 |